内容説明
古代ではあらゆる場面で畏怖するものを鎮める行為がみられる。興福寺で出土した豊富な地鎮・鎮壇具の考察を中心に、神社建築と立柱供養、胞衣壷、絵馬、斎串、瓦経などの考古資料を例に、その行為と思想を考える。
目次
第1章 地鎮・鎮壇(地の神に安全を祈る;興福寺の地鎮・鎮壇具;東大寺大仏殿(金堂)の地鎮・鎮壇具
その他の寺院の地鎮・鎮檀具
陰陽師と『陀羅尼集経』
文献史料にみる地鎮の記載
まとめ)
第2章 神社の成立(神降臨の場;神社建築の出現)
第3章 生と死の鎮め(胞衣の埋納;火葬の普及;墓誌の埋納;買地券の埋納)
第4章 自然災害と鎮め(雨乞い;地震)
第5章 水と火の鎮め
第6章 末法思想への備え(末法思想とは;藤原道長の経塚;経塚の分布と願い;瓦経;まとめ)
著者等紹介
森郁夫[モリイクオ]
1938年名古屋市に生まれる。2013年5月逝去。國學院大學文学部史学科卒業。帝塚山大学客員教授・帝塚山大学考古学研究所・附属博物館館長を経て、帝塚山大学名誉教授、和歌山県文化財センター理事長。三河国分寺整備委員会委員長、日本宗教文化史学会評議員、法隆寺史編纂委員古代史部会長、京都国立博物館考古室長(1985~95)を歴任。博士(歴史学)
藪中五百樹[ヤブナカイオキ]
1946年兵庫県相生市に生まれる。立命館大学産業社会学部卒業。1972年から興福寺の文化財保存修理、防災防犯体制の整備をすすめ、1994年から境内管理室長として、天平伽藍復興のための興福寺境内整備事業や中金堂復元事業に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。