内容説明
地方豪族として、紀伊国造としてどのように変遷していったのか。諸史料の精査を通じその実態に迫るとともに、大和王権との関わりや、出雲国造をはじめとした他の国造との対比から、国造制度にも深く切りこみ考察する。
目次
序章 紀氏をめぐる本書の課題
第1章 国造について
第2章 紀伊国造の系譜
第3章 古代国家の成立と紀伊国造
第4章 律令国家と紀伊国造
終章 在地土豪としての紀伊国造
著者等紹介
寺西貞弘[テラニシサダヒロ]
1953年大阪府に生れる。1983年関西大学大学院博士課程後期課程単位取得。1989年文学博士。現在、和歌山市立博物館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
terve
24
古代氏族研究叢書の二冊目。国造制度の再考に始まり、日本でも数少ない神話時代から続く紀氏についての本です。圧巻なのは、翻刻された紀氏の家系図です。原本も写真で掲載されています。よくもまぁこれほどのものが残っていたのだと感心せざるを得ません。神代からの家系図があとは丹後国元伊勢籠神社の海部氏くらいだと聞いていましたので。岩橋千塚古墳群や日前宮など紀氏にまつわる史跡も多く、地方豪族として現代まで続いているのは歴史の長さを感じます。初代、天道根命とはどんな人物だったのか。日前宮で想像するのも一興かも知れません。2020/01/05




