内容説明
弥生前期後半から中期中頃における戦闘の実態を明らかにし、土地開発およびそれに付随してひき起こされる争奪戦を通して首長層の発生の問題に迫る。
目次
第1章 はじめに
第2章 殺傷人骨(犠牲者)、棺内出土の切先、鏃などの実例(地名表;実例の紹介 ほか)
第3章 武器からみた弥生時代の戦い(武器の出現;武器副葬の開始 ほか)
第4章 弥生時代の戦い(集落立地の変遷と土地開発;弥生時代の戦い ほか)
第5章 まとめ
著者等紹介
橋口達也[ハシグチタツヤ]
1945年鹿児島県生まれ。1971年九州大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。九州大学医学部解剖学教室、福岡県文化課、九州歴史資料館副館長を経て、2005年4月より九州歴史資料館参事補佐(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
15
吉野ヶ里では、首のない骨が埋葬された甕棺をみた。一方、吉武高木遺跡 ( https://bookmeter.com/books/903873 ) で出土した銅剣の多くは、切っ先が折れていたり、研ぎ直されたりしている。どちらも、弥生時代に、この地域で、本格的な殺し合いが始まったことの物証なのだ。農耕に基づく新たな大規模共同体は、殺し合い抜きでは形成されえなかったのだろうか。。。2019/10/06
おらひらお
2
2007年初版。著者が手掛けるまであまり触れられることがなかった弥生時代のたたかいについてまとめたものです。形質人類学と考古学の複眼的なアプローチはさすがですが、やや事例紹介にページを割きすぎているような気もします。2012/04/27