内容説明
グリフィンはいつ、どこで生まれ、どのようなルートで伝播し、各地でどのように変貌したか?西ヨーロッパから東アジアまでグリフィン図像の伝播の跡を追いながら、東西文化交流の実像を浮彫りにする。
目次
第1部 グリフィン図像の誕生―メソポタミアから西方へ(先王朝時代(前3500年~2900/2700年)
シュメルとアッカドの時代(前2900~2004年) ほか)
第2部 グリフィン図像の展開―メソポタミア・イランから西方へ(新アッシリア帝国の時代(前10~7世紀)
新アッシリアの隣接諸地域
新バビロニア帝国とアケメネス朝ペルシア帝国)
第3部 新たなグリフィン図像の展開―ギリシアを中心に(アルカイック期;クラシック期;旧約聖書のケルブ、ケルビム;ギリシア古典とグリフィン)
第4部 グリフィン、東方へ飛ぶ(中央アジア―サカの世界へ;アルタイの山中で;グリフィンの伝わった経路と年代;アルタイと中国との交流;中国の獅子グリフィン)
第5部 その後のグリフィン(ヘレニズム、ローマ時代;唐とサーサーン朝ペルシア、ビザンツ、ヨーロッパ;まとめにかえて)
著者等紹介
林俊雄[ハヤシトシオ]
1949年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。創価大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨシツネ
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グリフィンに関するほぼ唯一の纏まった本2017/12/20
未来来
0
幻獣としてがグリフィンが物語等でどのように活躍しているかではなく、獅子と鷲の合成獣の図像や遺物がどのような変遷を辿りながら各地へ広まっていき、その先でどのような役割を担わされていたのかについて見ていこうという本です。グリフィンの図像学を丸々一冊で扱った恐らく唯一のもの。図版が豊富で、文章も読み易いですが、辿っていく内に前の話題を忘れてあやふやに読んでしまう事もあり、まとめがあるのがとても有り難かったです。典型例を図で解説するような部分が無いのがちょっと残念。《蔵書》2009/10/01