朝鮮民族の知恵

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784639017905
  • NDC分類 221
  • Cコード C1022

出版社内容情報

                     はじめに より

 その国を理解しようとする場合、その国の文化遺産をみればよい。もちろん、簡単で早いのは歴史書を読むことであるが、歴史書は過去の変遷や興亡の記録が中心であり、あくまでも概要にすぎない。その点、文化遺産は、ある時期、ある個人や集団が、心血をそそいで作り上げた「知恵」とわざの結晶であって、人と心のぬくもりが感じられる。

 この本は、朝鮮民族の衣食住などの生活文化から、教育・文学・芸術、科学・技術などの「朝鮮民族の知恵」を五つの項目に分けて描いたものである。歴史の教科書ではまったく触れられていないものや、わずか数行しか書かれていないものも、ここでは十分に取り上げている。それら一つ一つの遺産には、朝鮮民族の思想や美意識・感性、情操や趣向があざやかに投影され、まばゆいほどの輝きを発している。

 朝鮮民族ほど国家・民族に対する帰属意識をををもっ自らの運命を切り開いてきた民族はないであろう。仏国寺の石窟庵や海印寺の『八万大蔵経』には,国を愛し、その安寧を祈願して生きた、新羅や高麗の人々の護国思想が刻まれている。綿の栽培に成功した文益漸や火薬武器を開発した崔茂宣も動機はその愛国にあった。他国では死語になりつつある「愛国」ということばは、国際化の時代である現在においても、朝鮮半島の南北では最も使用頻度の高いことばである。

 朝鮮人はバイタリティのある民族である。不朽の名作『春香伝』は女のみさおを守りぬいて生きた一女性の物語であるが、それにはこの民族の不屈の闘争心である「恨(ハン)」の哲学が貫かれている。「恨」とは、厳しい現実にひるむことなく立ち向かい、不可能も可能にせしめる闘争本能で、天才的商人集団といわれた開城商人たちも「恨」の持ち主であった。

 古来よりこの民族は自らを「スルギ」ある民族と言ってきた。「スルギ」とは物事を思量・判断し、それに対処する能力のこと、つまり日本語の「知恵」のことである。現在朝鮮の文化遺産は、ユネスコの世界文化遺産に七件、記録遺産に二件登録されている。このほかに、公認されてはいないが、世界に誇る有形無形の文化遺産がじつに多い。祭事や民芸、歌や踊り・遊びごとにもこの国の人々の知恵とわざがほどこされている。

 サッカーワールドカップでなした韓国のチームの快挙、それに続くアジア大会でのマラソン競技で南北朝鮮の男子と女子のアベック優勝、それはこの国の若者たちの強い意志と体力の勝利であるが、それを支えた伝統食品であるキムチや高麗人参の勝利でもあった。朝鮮民族の逞しさは、この民族の食品文化の中にその源があると言えるだろうし、それこそが朝鮮民族の文化そのものである。朝鮮の文化遺産は朝鮮をよく知るための生きた教材なのである。

 さらに朝鮮の文化が日本文化に与えた影響も見逃せない。朝鮮と日本は一衣帯水の国、古来より文化的に深いつながりをもっていた。おびただしい文物が人とともに玄界灘を渡って来ている。飛鳥の文化は古代朝鮮三国の影響をぬきにして語れない。室町時代からはじめられた「能」や「俳句」、「茶の湯」といった伝統文化が日本固有のものと思われがちであるが、その源流をたどれば、朝鮮の文化的影響が大きいことがわかる。日本文化を正しく理解するうえでも、朝鮮の文化遺産を知ることが不可欠である。

 日本には、現在、およそ六○万人の朝鮮人が定住している。その多くが日本に生まれ育った三、四世である。民族性を失いつつある彼らにとって、朝鮮文化に慣れ親しむことはとりわけ重要な意味を持つ。本国の歴史を通して育まれた文化遺産は、在日を含むすべての朝鮮人が共有する財産であり、民族のアイデンテティがまさにそこにある。朝鮮と日本の新たな時代を切り拓くためにも、日本の若者をはじめ、多くの人たちに朝鮮民族への理解を深める一助になることを願い筆をとった。

 執筆にあたっては、多くの本や論文を参照した。その一部は参考文献として巻末に掲げたが、こうした貴重な研究成果があったからこそ、未熟ながらこの本を世に送り出すことができた。深く感謝するものである。

二○○二年十二月

朴禮緒


--------------------------------【書評より】----------------------------------------------------
 民族や国家を知るには、その国の伝統文化や人々の生活にふれるのが近道だろう。韓半島は古来から高度な文明を持ち、日本に仏教や千字文(漢字)を伝え、日本の文化形成に多大な影響を与えた。
 
 本書は、「生きる」「創る」「究める」「祈る」「蘇る」の5項目に分け。衣食住の生活文化から歴史、芸術、科学、技術など韓半島固有の文化を紹介したもので、韓民族の知恵が凝縮されている。
取り上げられているのは、チマ・チョゴリ、キムチ、高麗人参、オンドル、木綿、金属活字、火薬武器、八万大蔵経などで、すでに日本人になじみの深いものであるが、さまざまなエピソードが紹介され、楽しめる。
 
 例えば、高麗紙を歴代の中国皇帝が愛用していた話や、高麗が発明した金属活字がヨーロッパに伝わり、グーテンベルクの活版印刷の発明につながったという話などは「目からうろこ」で、韓民族も知恵と進んだ文化に改めて感心させられる。
(東洋経済日報 2003.4.25)

内容説明

コリアン・パワーの源を探る。21世紀を生き抜く朝鮮民族の知恵と活力。その逞しさは、何処から生み出されるのか。民族の更なるアイデンティティの高揚を願う。

目次

1 生きる(チマ・チョゴリ―それは朝鮮女性の美しさを演出してきた伝統の衣装であった;キムチ―それは朝鮮が世界に誇る発酵食品の王者であった ほか)
2 創る(瞻星台―それは新羅の叡智が生んだ現存する世界最古の天文台であった;高麗青磁―それは美の極致をきわめた最高級の陶磁器であった ほか)
3 究める(成均館―それは一二〇〇年の伝統を持つ世界最古の大学であった;開城商人―それは逞しい商魂を持った天才的商人集団であった ほか)
4 祈る(石窟庵―それは永久に輝きつづける新羅仏教文化の華であった;『往五天竺国伝』―それは一二〇〇年前の空前絶後の大インド旅行記であった ほか)
5 蘇る(檀君神話―それは民族開闢の謎を秘めた壮大なロマンであった;古墳壁画―それは墳墓に描かれた最盛期高句麗の優美で勇壮な姿であった ほか)

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