出版社内容情報
日本古来の「たたら製鉄」の歴史を辿りながら,とくに江戸時代に独自の技術として花開いた高殿式たたら,その流れを汲む靖国たたら,そして戦後の日刀保たたらまで,その特徴を科学的に分析し,鉄の美学を明らかにする。日刀保たたら鉄担当者の実証的力作。
内容説明
たたら操業についての知識と経験、それを卒直に述べたのが本書である。それを彩るにわが国のたたら製鉄史、たたら製鉄による作刀、試作刀の分析、和鉄の特質などの記述を以てしており、大まかに言えば過去と現在を語り、更に未来への夢に説き及ぶ製鉄の技術史でもある。
目次
序説 たたらが来た道
第1章 たたら製鉄の開始期と導入経路に関する考察
第2章 たたら製鉄の衰退と復活
第3章 選定保存技術―日刀保たたらの技術記録
第4章 古伝書にみるたたら製鉄の記録
第5章 日本刀のできるまで
第6章 卸し鉄と、これに関する作刀資料
第7章 分析
第8章 和鉄の特質について
感想・レビュー
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rbyawa
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f166、少し前に読んでいた本は上古刀メイン(蕨手刀や直刀)だったんですが、これはまず靖国たたらを中心に現代のたたらと、そこに対しての科学鑑定に関して、といった体裁の本ですね。まあ、多分縁がないとわかりにくいんだろうけど科学鑑定って一気になにもかも解明するってことではなくて、まず対象物を分類、一つ一つに傾向を見出していくものなので、正直なところこれだけ読むと敷居が高いかなぁ…。私もだいぶ炭素鋼関係の文章読むの苦労しました。備前伝が鉄の冷却が遅く、相州伝が急速冷却をするって辺りの話とその違いなどもぽちぽち。2015/06/30