内容説明
「運命」はなぜハ短調で扉を叩くのか?クラシックの長調、短調にはワケがある。現役作曲家が解き明かす、ありそうでなかった「調性」本!!
目次
1 調性とは何か?―メロディからハーモニーへ
2 楽器からみた調性―得意な調と苦手な調
3 科学的にみた調性―自然倍音から音階、平均律へ
4 調性の歴史―聖歌から機能和声へ
5 調性に関するエトセトラ―東洋の調性から天体の音楽まで
6 それぞれの調性の特徴と名曲―長調、短調から微分音階まで
著者等紹介
吉松隆[ヨシマツタカシ]
作曲家。1953年(昭和28年)東京生まれ。慶應義塾大学工学部を中退後、一時松村禎三に師事したほかはロックやジャズのグループに参加しながら独学で作曲を学ぶ。1981年に「朱鷺によせる哀歌」でデビュー。評論・エッセイなどの執筆活動のほか、FM音楽番組の解説者やイラストレイターとしても活躍中。TV・映画音楽も多く手がけており、近年では2009年に映画『ヴィヨンの妻』(監督:根岸吉太郎)の音楽(第33回日本アカデミー賞優秀音楽賞)、2012年にNHK大河ドラマ『平清盛』の音楽を担当(第67回日本放送映画芸術大賞放送部門最優秀音楽賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
銀の鈴
11
ハーモニーとは何かようやくうっすらと理解できたような気がしています。私にはかなり難解でした。2024/04/17
二条ママ
11
ずっと読みたかった本。やっと読了。面白かった!説明は分かりやすくて、素人の自分も何となく調性って何だろうと分かってきたような気がする。2022/09/18
生ハム
11
ハーモニーや音楽の三要素ならともかく、「調性」にフォーカスが当てられている本は珍しいな、と思い読んでみたら、これがまた、大変面白い。科学的な面だけでなく、その成り立ちや使われ方、楽器ごとの調性など話題は多岐にわたります。そうか弦楽器は♯得意で♭苦手なのか、そりゃあ管楽器と仲が悪いよな・・・などと膝を打ったり。西洋音楽が輸入される以前にも、当然日本にも音楽があり、音階があり、調性があったんだなと。でも、長調・短調にあたるものが陽・陰で表現されていたことに大変驚き。ここらへんの感覚は世界共通なのですね。2020/08/16
Y田
9
調は12ある。何で12なんだろ、とかCとC#の間のキーってないの?とか、Bとかマジで弾き辛いしもう全部Cでええやん笑、とか思った事がある。西洋で発達した調性というものを科学、歴史等ふまえて説明する。倍音という考えが元になっている事が分かりとても分かり易かった。◉特に印象に残った説明で。無調の音楽を「平等社会、12音主義人民共和国」と例えている。あの辺りって共産主義が流行った時代だと思う。無調のよく分からん感じ好きだけど、色々と繋がってる事を思い出して納得する。たまたま手に取った本だが、超(調)良かった。2019/03/20
おっくー
9
趣味関連本。普段はただ、聴くだけであったクラシック音楽。今回、読んだことによって、歴史、調性の切り口から科学的な考え方により、更にクラシック音楽という普遍かつ無限の可能性を秘めた音楽に魅せられた。聴くことはもちろん、弾くことも頑張りたい。また、知識も足らないことが今回わかった。この分野の本も読まなければならないと、実感した。2016/01/23