内容説明
ラフマニノフが「ピアノ協奏曲第2番」で復活するまでの苦悩の日々、「憾」を残して世を去った瀧廉太郎の慟哭…ほか、名音楽家の苦しみの中から生まれた“いつも手元に置きたい”魂の叫び。
著者等紹介
桧山乃武[ヒヤマノブ]
尚美学園大学芸術情報学部音楽表現学科音楽ビジネスコース准教授。日本大学芸術学部演劇学科卒業。音楽雑誌、書籍の編集者、レコーディングプロデューサー&ディレクターを経て現職に至る。キッズソングの作詞家、クラシックを中心に幅広いジャンルの音楽ライターとしても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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melon.。.:*♡
22
〜壁を乗り越えるためのメッセージ〜と副題がついているように、音楽家たちの苦悩や、悲嘆の言葉、が記載されてます。「われわれは病み、疲れ、落胆しながら生き続けるのだ。」(ヴェルディ)「落ち着け。人を恨んで自分をダメにするな。」(カラヤン)「それはいまあなたに苦痛を与えるでしょうが。しかし後になってそれはあなたの苦痛というものを救うことになるでしょう。」(ドヴォルザーク)「自分の矛盾を受け入れられた時、私は内面の調和を少しずつ得ていった。」(グリモー)。苦痛から湧き出る言葉の強さ。今の私に突き刺さりました。2022/11/18
二条ママ
8
図書館本。ある曲を完全に知るのは、可能性のある間違いを全て犯したあとだ。 ーーメニューイン 人間はときどき徹底的に自分一人と差し向かいになる必要がある。孤独はわれわれを自分自身へ連れ戻す。ーーマーラー が一番好き。音楽家たちは壁に直面し、苦悩し、そして乗り越えていく姿が見えてくる。2022/08/23
ぴよぴよ
6
パウル・バドゥラ=スコダの「いつ私たちは、核兵器の開発など捨てて生き、愛し、音楽を演奏し、聴いて、そして生き残ろうと決心するようになるんでしょう?」が、最も心に残った。2012/03/25
AKO
4
2に続き図書館で。こちらも良かった!まさに壁を乗り越えるためのメッセージだった。多くの音楽家が苦しい時もあって、それを乗り越えてこその作品や人生があることを改めて感じた。そして、すべての見るものや経験が音楽表現に生きる。人間性が大切と感じながら読んでいたけど、ワーグナーはそうではないという話も出てくるし、答えはよく分からない。けどその分からなさがまたおもしろい。2016/12/25
キキ@新潮部
3
音楽家たちの小さなエピソードが興味深かった。あの作曲家がこんなことを!?という言葉がたくさんあったけれど、彼らが生み出した音楽を思えば納得できるものばかりだった。美しいものを生み出せる人は、生きていく苦しみを知っているからこそなのかもしれない。2015/07/11
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- 和書
- 風の王国 集英社文庫