内容説明
アジア人初のショパン・コンクール優勝者、ダン・タイ・ソン。少年時代のベトナム戦争に始まる波乱万丈の人生を経て、いま、静かに大成する。波瀾万丈の半生、世界初の書き下ろし。
目次
「あなたが一番ですよ!」
エチュードが怖い
悪夢のような一年目
水牛が運んできたピアノ
得意技はごはん炊き
満月の夜のマズルカ
紙に書いた鍵盤
「きみは魚なのかい?」
タイシャン(泰山)の名のもとに
ポゴレリチとガヴリーロフ〔ほか〕
著者等紹介
伊熊よし子[イクマヨシコ]
音楽ジャーナリスト。東京音楽大学卒。レコード会社勤務、ピアノ専門誌「ショパン」編集長を経て、1989年フリー
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感想・レビュー
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マリリン
38
表紙に惹かれた。指に目を向ける。それ以上に相。どちらも生きてきた軌跡を物語る。手にしたきっかけは「ショパンゾンビ・コンテスタント」。演奏は聴いた事がないが、あるがままに生きてきた方なのだろう。ヨガで学んだが表紙に惹かれた理由はそうだったのか。特に十二章「ルバータは木の葉の揺れのように」は読んでいて心地よい。音のない表現は。日本を離れた理由は、現在そういう環境に住んでいるのだ気づかされた。心身が健全な状態であるためにヨガ教室に通ったという。そういう状態でなければ宿らない魂。演奏は隠し事ができないものかも。2021/05/28
ヤマセミ
5
防空壕で紙の鍵盤で練習してたという、ベトナムのピアニストの人生は、戦いの連続だった。そんな彼が、教えるために日本に住むと、あんまり安全で自由で、初めはなんて恵まれているのかと思ったけれど、娯楽が多く、情報過多でスピードが求められ、じっくり物を考えることもできないし、音大の学生は大人しすぎるしで、ピアニストをやめようかと悩むほどになってしまい、日本を離れたというエピソード。そういう国に住んでいるのだとなんだか悲しくなった。2017/06/19
dokuryo1
0
昨年の来日ツアーをきっかけに手に取った。前半、戦時中紙のピアノで練習した逸話を知らなかったので大変興味深く読んだ。後半、章ごとの時系列が入り乱れピアニストや指揮者の名前が列挙され門外漢には中々読みづらかった。2023/09/17
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