内容説明
ニホンオオカミは大神(狼)として、古来、病禍・厄災を祓ってきた。各地に遍在する個性的な狼像を訪ね歩いた写真家によるユニークな旅のフォト・ルポルタージュとして好評を博した前著に続く第二弾!未知の疾病と戦う今、先人の祈りの形を識り、乗り越える途を想う。
目次
1 疫病除けの狼信仰(コレラ除けの狼信仰;武蔵御嶽神社のご利益;山梨県のコレラ騒動)
2 東京狼(ビルの谷間のお犬さま;新宿の稲荷鬼王神社;桜川御嶽神社の狼像 ほか)
3 山の神と狼(よみがえるニホンオオカミ展;群馬県の狼像と狼祭り「おぼやしねぇ」;栃木県の狼像 ほか)
著者等紹介
青柳健二[アオヤギケンジ]
1958年、山形県河北町生まれ。メコン川流域の少数民族、棚田、犬像など、独自の視点で旅を続け、作品を発表し続ける「旅する写真家」。2006年、棚田学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
61
江戸時代にコレラ除けとして三峯神社が尊崇されていたとは知りませんでした。お犬さまに病魔退散を願う人が沢山いたんですね。そういった歴史ゆえコロナ禍に富士吉田の三峯神社では新型コロナの撃退祈願祭も行われたそうです。東京では地域のコミュニティとして三峯講が存続しているというのはすごい事だなぁと思います。この巻でも様々なオオカミ像が紹介され読み応えありました。2025/06/16
ポチ
41
三峯神社や武蔵御嶽神社を信仰する人々が関東地方に多いのには驚いた。それだけ狼は密接な関係であり崇められていたのですね。神社によって違いのある独特の狼像は観ているだけで楽しくなる。神社と共にこれらの狼像もいつまでも残って欲しい。2025/06/29
りー
35
大神、山神、大口真神(オオグチマガミ)として崇められてきた狼。日本各地の狼信仰のうち、この巻は関東編。コレラなどの疫病避け、子育て上手なことから安産・子育ての神として信仰は繋がれ、令和になった今も細細と講が続いている神社もあるらしい。中心は秩父の三峯神社だと言って良いと思うが、全国的にも関東はオオカミ信仰が盛んだったそう。知らなかったよ!!各地の狼型狛犬が味わい深い。東所沢の武蔵野令和神社は、なんと狛犬が土屋仁応さん、社殿が隈研吾さん、天井画が天野喜孝さんらしい。絶対に近々お参りするから!!2021/08/29
めんつゆ
7
疫病除けはあまり知られていないのでは。色々な狼像を色々な角度から。コロナ禍に出版された第二弾。かつて江戸時代に疫病が流行ったときに狼信仰も急増したようで、疫病は管狐やら悪い狐の仕業だと考えられて狐の天敵である狼が選ばれたとか。そう考えると同じ山に棲む者でどちらも子宝や安産のご利益が謳われているのに大勢仲間がいるイメージの狐と絶滅したとされる狼とでは感慨深い対比。そういえば記紀に天皇が仏教に熱を入れ始めたら都に疫病が蔓延したみたいな記述があったような。狼としての物語はそこで決着して 残るは天の道か2025/01/19
くろじら
2
前作が良かったので今作も購入.関東地方に限定した内容だが,都心から檜原村の山中までいろいろな場所を見て回ることで関東地方の三峯講の広がりが感じられる.千葉で朽ちて藪に飲まれた神社と狼像を見つけるあたりはとても興味深い.2022/03/27
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