内容説明
明るい詩情の漂う山缶写真で一時代を築き、“穂高の山本”の愛称で親しまれていた山本和雄氏の5冊目の作品集。穂高、涸沢、上高地、後立山などの近作を中心に、心の山々をみずみずしい感性で描き出して感動を呼ぶ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
47
なんだろう、胸が熱くなる。写真は撮った方の想いが伝わってくる。ページを追いながら涙が溢れる。ファインダー越しに穂高を愛おしみ話しかけ...誰にもわからない言葉のない言葉で会話しているかのような感覚を覚える写真から、静寂に惹きこまれ深く息づく自然を感じる。写真集は初めて手にしたけど、見た記憶がある写真もある。その記憶は思いのほか鮮明で暖かい。特に印象に残ったのは「新緑の山」、私自身にようやく木漏れ日や新緑の香りや空気を感じる季節が回ってきたからなのかもしれない。写真からかすかに言葉が聞こえてくる。2021/12/03