内容説明
増加の一途をたどる山岳遭難、山の危険を認識できない登山者…日本の山登りはどうなってしまうのか?35年の登山指導者経験を持つ岩崎元郎が説く、山の危険を知り、自立した登山者として安全な山を楽しむための基礎知識。
目次
山の危険認識と危機管理(登山の危険はどこにある;「転倒・滑落、落石」はなぜ起こるのか;やさしい場所で起こる転落事故;なぜ「道迷い」事故が一番多いのか;生死を分ける悪天下での判断 ほか)
安全安心な山歩きのためのヒント(オーバーヒートにご用心;トレーニングの意味;日ごろのトレーニング;グレードを考え直す;ゆっくり歩きのすすめ ほか)
著者等紹介
岩崎元郎[イワサキモトオ]
1945年東京大井町に生まれる。63年昭和山岳会入会。70年蒼山会同人創立。81年ネパールヒマラヤ・ニルギリ南峰登山隊に隊長として参加。同年、無名山塾を設立し、登山者育成のための登山学校活動開始。遠足倶楽部を併設し、中高年登山者の安心登山の啓蒙に務める。無名山塾主宰、日本登山インストラクターズ協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
31
登山家による短文集。前半はタイトル通り山で遭遇する危険が纏められているが、後半に行くにつれ現在の登山の状況に対する注文が増えていく。示唆に富んだ内容も多いのに、全体として昔はよかった的なスタンスに見えてしまうのか残念。構成の工夫があればなおよかった。2021/10/07
ichi
19
【図書館本】登山をする人全般にオススメです。やはり常にリスクを伴うので、装備や地図の読み方、天候の把握、そして自分自身の体力に伴う山を選ぶこと。改めて振り返させていただきました。2018/07/09
run
7
読みやすい文体で優しい書き方だけど、これでもかと並べて「山の危険」を知らせている。たまにこういう本も読まないといけないな。単独行が多いので改めて気を引き締めなきゃと思う。 多くの人に読んで欲しい本。2020/10/12
たいよう
5
最初は「若いうちから山を知らない人は登るな」的な厳しい話でしたが、後半は、山の楽しさを多くの人に知ってほしいと言う話。確かに中年から登山を始めた自分も、登頂の達成感から「また登りたい」と思う一方で、「何があっても自分の足で帰ってこないと」と万が一に備えながら準備してます。いつまでも怪我や遭難しないように備えて登山を楽しみたいと思います。2016/12/25
かつばやし
5
山好きなおじさんが気の向くままにつらつらと書き綴った文章という印象。経験談を織り交ぜながら山の危険•備え•楽しみを説いている。山で起きる事故の多くは道迷い、転倒•滑落だそうだ。勉強不足、準備不足が山の事故につながる。「山登りに上手い下手はない」という一文が出てきたが、これが山のもつの大きな魅力だろう。誰でも登れる。勝ち負けがない。ゆえに登山はなめられ、事故のもとにもなる。山の楽しみ•危険を十分に勉強した上で今後の登山に臨みたい。2015/07/22