内容説明
ピオレドールを3度も受賞したトップクライマーにして映像カメラマン・平出和也が、これからの挑戦を前に半生を振り返る。
目次
序章
第1章 競技アスリートから山の世界へ
第2章 山と生活の両立を求めて
第3章 シブリンとカメット
第4章 痛恨のアマ・ダブラム
第5章 別れ、新たなパートナー
第6章 二〇一七年のシスパーレ
第7章 越えてきた山、これからの山
終章
著者等紹介
平出和也[ヒライデカズヤ]
1979(昭和54)年生まれ。長野県出身。少人数で、荷物を軽量化しスピーディーに登る「アルパインスタイル」での高峰登山を得意とし、未踏峰・未踏ルートにこだわって登攀記録を重ねてきた。2008年、インド・カメット峰(7756m)に未踏の南東壁から登頂し、ピオレドール賞を日本人初受賞。その後、映像カメラマンとしても活躍し、13年には三浦雄一郎氏の世界最高齢80歳でのエベレスト登頂を記録した。第21回植村直己冒険賞受賞。43歳になった現在も現役で、世界のトップクライマーの一人として高い評価を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
128
2024/2/3 Amazon Kindle UnlimitedでDL。 2024/2/3〜2/7 日本人最多の三度のピオレドール受賞歴を誇るクライマー、平出和也さんの登山歴を振り返る内容。極限の環境の中、生きて帰ってくる、ということにただただ凄い、の一言。惜しくも北海道で遭難してしまった、長年のパートナーである谷口けいさんに対する想いなども綴られていて感動した。 QRコードで登山中の映像にアクセスできる試みも面白かった。2024/02/08
breguet4194q
121
登頂と断念を繰り返した著者には「挑戦」の2文字が相応しい。著者は、登山界のアカデミー賞とも言われるピオレドール賞(金のピッケル賞)を3度授賞。半生をエッセー風に書かれているので、著者の心情はくみ取りやすく、また頁の各所にQRコードが掲載されているので、現場の空気を感じることができます。よく世間では、エベレストなど8000m級の山を、踏破したかどうかばかりが話題になりますが、クライマーにはクライマーなりの、登り方と充実感があることを知れたのは収穫でした。2023/05/26
けんとまん1007
53
レベルは全く違うが、多少は山を登っているので、あっという間に読んでしまった。クライマーであり、映像カメラマンでもあることの凄さは、想像を絶するものがある。ご本だけでなく、周囲の人、特に、ご家族がどんな思いなのだろう・・と考えてしまう。山に限らないが、その場に行かないとわからないことは、とても多い。五感で感じ取れるもの、眼に見える景色であり、匂いであり、風であり・・。ご冥福をお祈りする。2024/12/26
彼岸花
33
パリ五輪の最中に悲報が飛びこみ、かなりの衝撃を受けた。高い技術力を持つ平出さんと中島さんに何が起きたのか。現実として受け入れられない。生死を彷徨い、指を失っても何故未踏ルートに拘るのか、本書を読み愚問だと知る。実際に行かなければ見られない、山の映像や写真は本当に美しい。こんな世界も存在するのだと、贅沢な時間を味わえた。感謝したい。山と向き合うことが平出さんの生き甲斐そのものであり、誰も否定できない。彼は今も歩み続けているのでしょう。「What's Next?」の言葉通りに。ご冥福をお祈りいたします。2024/09/18
やんちゃジジイ
18
平出和也氏、中島健郎氏のご冥福を祈ります。永久保存書2024/08/19