内容説明
国内の岩壁初登攀からヨーロッパアルプス北壁の冬季登攀、ヒマラヤ難峰の無酸素登頂、そして時を経てヒマラヤの8000メートル峰へ―「激しい夢」を抱いて登山界を牽引し続けた天性のリーダー・小西政継が、58歳の誕生日を目前にしてマナスルに登頂後、消息を絶った。
目次
プロローグ 小西がなぜ?
第1章 異端と正統
第2章 栄光のためではなく
第3章 恐怖の報酬
第4章 若き勇者たち
第5章 氷壁の七人
第6章 未知との遭遇
第7章 無酸素登頂への闘い
第8章 家族の肖像
第9章 今ひとたびの夢
第10章 マナスルより永遠に
エピローグ 長き不在のあとに
著者等紹介
長尾三郎[ナガオサブロウ]
1938年、福島県生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学第一文学部演劇科中退。在学中から著述業に入り、政治、社会問題、スポーツなど幅広い分野で活躍、現在に至る。「未知の領域」に挑戦した人間の生きざまを描くことをライフワークとする
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
9分9厘
3
幸せってこういう人生なのかも。2024/03/25
つちのこ
1
本書では、小西の登山家としての顔よりも、むしろ家庭人・企業人としての顔にフォーカスを照てている。ヒマラヤ8000㍍峰の無酸素登頂を狙う傍ら、毎日、終電で帰宅するサラリーマンとしての猛烈な仕事ぶり、一転して、夫婦喧嘩などありえないほどの、家族想いのマイホームパパの素顔がギャップとして映る。タイトルにある「激しすぎる夢」は小西にとって何だったんだろうか。山への情熱を失わず、仕事や家庭にも同じ位情熱をぶつけた生き様が小西にとっての永遠の夢だったのだろうか。(2001.11記)2001/11/08
ressenti-man
0
奇しくも最近読んだ同じ姓の小西浩文『生き残る技術』につながる生き方というか思想だと感じた。リーダーこそ率先して雑用をやる、というのは持っていた山岳会のイメージと大分違うが、大半の山岳会や部はイメージ通り悪い意味での体育会系なんだろうなあ。2010/03/10