内容説明
こんなにも凛として、こんなにも愛らしく、こんなにも憂いある、山の女(ひと)のことばは、これまでなかった。伝説の遺稿集復刊。
目次
第1章 奥利根
第2章 南会津
第3章 下田・川内
第4章 山登り入門から黒部まで
第5章 浪漫の仲間たちへ
第6章 風に吹かれて
第7章 ちさこの小宇宙
著者等紹介
池田知沙子[イケダチサコ]
昭和22年7月29日、東京で生まれる。二十一歳で、所属していた劇団の研究生同士だった池田俊樹と結婚。二十八歳で夫婦ともども北海道に移り住み、帯広わらじの会に入会して登山を始める。三十二歳、埼玉県新座市の現住所に居を構え、翌昭和58年1月、浦和浪漫山岳会に入会。以後、地域研究を標榜する当会とともに歩み、奥利根、会越、下田・川内をはじめとする各地の山と谷に膨大な足跡を残す。入会から十八年を経た1999年(平成11)年2月15日、自宅において脳内出血のため急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
2
箱入りの旧版を交流があった方からいただいた。浦和浪漫山岳会会員で昨年、急逝した池田知沙子さんの遺稿集。 素晴らしい感性と才能をもった人の本である。ちりばめられた自筆のイラストもいいし、何より、自然なまでのその文章がいい。読み進むうちに心が妙に落ちついてくる。また、それが快感に変わってくるのである。不思議な文章を書く人である。若くして散った才能ほど瞬間に輝いている。(2000.3記)2000/03/02
hatayan
2
関東の「浦和浪漫山岳会」に属し、51歳で病で世を去った女性会員の遺稿集。 深い山の中で自然と一体になっていることの喜びを余すことなく自然体で記されています。 会の機関誌にとどまらず、一般の人でも入手できるよう本として出版されたのは僥倖というべきでしょう。2017/09/15
felis
2
浦和浪漫山岳会で活動をされていた方が 51歳という若さで脳内出血で早世されたときに 編まれた遺稿集を山と溪谷社が刊行したもの. 山溪の短い紹介に惹かれて見たら面白くて通読. 山行については,あっさりと書かれているけれど 浦和浪漫!だし,地図を眺めても……凄まじいけど 山に浸るのを楽しんだり,古い径に思いを寄せたり そういう静かな部分がとても素敵だった. どの山も素敵だけど,なぜか,『天狗の庭』が とても気になった.苗場山の南西にあたるけれど 沢登りの熟達者でもないと辿りつけそうもないが.2013/05/27