内容説明
笑い、驚き、感動、恐怖、発見!著者が丹念に拾い集めた山で暮らす人ならではの下界にはない、信じられないような山語り34編。
目次
第1章 ネバー・ギブ・アップ(ネバー・ギブ・アップ―丹沢・尊仏山荘 花立昭雄さん;「いっちに、いっちに…」―奥秩父・三条の湯 木下昇さん ほか)
第2章 雷親爺(幻の金鉱脈―奥秩父・十文字小屋 山中邦治さん;隠れ家―北八ヶ岳・縞枯山荘 嶋義明さん ほか)
第3章 雪女(雪女―奥多摩・雲取山荘 新井信太郎さん;人間が怖い―奥多摩・町営雲取奥多摩小屋 岡部仙人さん ほか)
第4章 フーの秘密(消えた河童―北八ヶ岳・白駒荘 辰野廣吉さん;フーの秘密―北八ヶ岳・ヒュッテ・アルビレオ 梶栄太郎さん ほか)
第5章 遭難救助(生きたい―陣馬山・清水茶屋 清水辰江さん;「ファイトー」―南アルプス・両俣小屋 星美知子さん ほか)
著者等紹介
工藤隆雄[クドウタカオ]
1953年、青森市生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て、新聞・雑誌を舞台に執筆活動を展開。毎日児童小説優秀作品賞、盲導犬サーブ記念文学賞大賞等を受賞。日本大学芸術学部文芸学科の講師(ノンフィクション論等)も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
83
なにか怖い話でも書かれているのかと思っていたら、真逆のほっとするような話が多かった。山というのには縁がなくて、見ることはあっても登ろうとは思わない。でも一旦山に取り憑かれるとどんな山でも征服しようと思うらしい。山小屋というところにも行ったことがない。ただ歩いたり登ったりすることがおっくうだけなんだろうな。図書館本2024/07/13
Shoji
62
雑誌『岳人』に連載された、山小屋のご主人ならではの泣き笑い話を集めた本です。感動秘話が多く、思わず泣いてしまったお話もたくさんありました。体に障がいを持つ子供の登山の話、少年院に収容された少年の登山の話、遭難の話、大自然の美しさと怖さの話など、どの話一つとっても、人間模様が凝縮されたヒューマニズム溢れる物語ばかり。山っていいなと改めて感じました。2018/01/13
ばんだねいっぺい
32
炉端話なんて謙遜。どれもこれも、ジワリと感動するような話が多く、そうか、山小屋は、人間交差点なんだなと勉強になった。山へ登りたい気持ちが強まった。2017/08/23
onasu
20
関東近県の山小屋主人よりの聞き書き。 新編とは言え、殆どは初出:山の雑誌「岳人」98年~00年なんで、些か過ぎ去りし時のいい話し感もないではないが、それはそれとして。 小屋開きに積雪7mの「雪下ろし」、雪の晩の「雪女」、林道造成で「消えた河童」等など、山小屋の炉端で手に取れたら、よかったかも。でも、そういう時には、本棚にある他の本に手が伸びそうだけど。2017/01/11
やっちゃん
18
畦地梅太郎カバーは怪談を思わせるがほっこりさせる良い話も多い。どの話も昭和の匂い、アナログ感いっぱいで古き良き山が思い浮かぶ。テン泊派ですがこんな話が聞けるなら小屋泊も悪くないな。農鳥小屋のコラムも読みたかった。2022/09/22
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- 和書
- 虫類図譜 ちくま文庫