内容説明
1本のブナの樹と向きあった17カ月。そこで気づいたことは、シンプルだけど、とても大切なことでした。青森県八甲田に広がるブナの森の中。有名でもなく、巨木でもないごくふつうのブナの樹との交流を、情感あふれる写真と文章でつづったフォトエッセイ。
目次
7月 一本の樹
9月 季節の気配
9月 台風
10月 優しさの秘密
12月 シルエットの国へ
1月 冬の日
2月 テント生活
2月 東風雪の日に
3月 一雨ごとの春
5月 ぶならし〔ほか〕
著者等紹介
細川剛[ホソカワタケシ]
写真家。1958年兵庫県西宮市生まれ。北里大学獣医畜産学部獣医学修士課程修了。在学中より青森県十和田市に住み、写真家の菅原光二氏に師事。卒業後、写真家の道へ。以後、青森を拠点に、東北地方の自然とそこに生きる人々の生命を中心に撮影を続けている。最近は、岩手県盛岡市にも拠点を持ち、森に通いながらも、より身近な、さまざまな生活や時間の流れに関心をもち、カメラを向けている。1998年、『森案内』で第14回東川賞新人作家賞を受賞。日本写真家協会(J.P.S)会員
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感想・レビュー
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yamakujira
4
文章があまり上手くないと思ったら、著者は写真家らしい。でも、失礼ながら拙い文章が、かえって素直な心境を伝えてくれるようで、著者の目にした風景を分かち合える気がした。八甲田の森に生える1本の木を選んで通い続けるって着眼点がすばらしい。ひとりテントで泊まる日々はロマンチックに感じても、雨や雪や風、寒さや暑さ、トイレや食事など、それなりの苦労はあるだろう。でも、鳥や虫、キノコや花々など、自然を見る目があれば、こんなに感動できるんだな。月刊誌の連載だったのに、4月と8月を欠くのはなぜだろう。 (★★★☆☆)2018/01/23
パロリーヌ
2
ところどころに載ってる森の一場面の写真がいい感じ。森に行きたくなります。個人的に、大地讃頌の伴奏する前に読めてよかった。大地の偉大さを感じました笑2014/02/20
Gaku
1
自然の素晴らしさがあふれ出ている本でした。自然の持っている偉大さを実感できました。以前にキャンプに行った時、夜になって、空が近く、たくさんの星の数に圧倒されたことを思い出しました。自然とともに生きていることをわすれずに、便利さ、速さだけを追求して、人間中心になりがちな生活をしないようにしていきたい。所々にある森の表情をとらえた写真に心が洗われ、普段の時間が止まって、ホッとします。何回も読み直す本の一冊になりそうです。2015/06/03