内容説明
変わったもの、変わらないもの…奥多摩の半世紀を見つめて。首都圏に隣接し、無数の山と谷が連なる山域・奥多摩。50年以上にわたって奥多摩を歩き続けてきた著者による『山と溪谷』誌の人気連載に新たに10編を加えた、奥多摩ファン待望の一冊。
目次
奥多摩を歩き続けて52年。奥多摩とはどういうところか?
笠取山
棒ノ折山
浅間尾根
川乗谷 逆川
酉谷山(黒ドッケ)
大常木谷
三窪高原と倉掛山
小河内峠
生藤山、三国峠〔ほか〕
著者等紹介
山田哲哉[ヤマダテツヤ]
1954年、東京生まれ。山岳ガイド「風の谷」主宰。日本山岳ガイド協会会員。風の谷では、アルピニスト講座、やまあるき講座を展開。近年はほぼ毎年、ヒマラヤの5000~6000m級の未踏峰に登頂する企画を実施している。日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちぃ
20
奥多摩で登山をしていると時々生活の痕跡を見つけることがあって埋立地育ちの私はその度いたく感動してしまう。奥多摩歩いて50数年の著者が描く、人が暮らしていた時の奥多摩の山はとても魅力的。しかし昔ながらの登山者の人が書くこの手の本は危なっかしい記載も多くてヒヤヒヤしてしまうことが多いなぁ。今ほど道具も道も便利でなかった故もあるのだろうけど真似しちゃダメー!っと思います。山に行きたいなぁ2021/05/21
roatsu
20
ああ、こんな本が読みたかった!という素敵な山岳紀行文。いつまでも読んでいたい。首都圏の登山者には馴染の奥多摩山域について、少年時代からここに親しみ、こよなく愛する著者が自身の登山体験を交えて情感豊かに綴るエッセイ。山の今昔を通じて、奥多摩の山と里には20世紀から今日に至るまで急激に変容した日本人の暮らしの影響が如実に表れた山里であることも再認識できるだろう。自分が踏む道やピークが数十年前はどんな様子で、また数十年経ってどう変わるのか、なんて考えてみるのもよいのでは。巻頭の奥多摩全域概念図、持っていれば登山2020/03/17
run
6
地図を見ながら読むとより楽しい。行ったところは、「同じように感じたなぁ」「以前はそんなだったのかー」と、自分の山行を思い出してはまた行きたくなるし、行ったことがないところにはより行きたくなる。とても良い本です!2021/01/04
あきひと
5
およそ50年前、当時中学生だった著者が山歩き・沢歩きに目覚め、授業をサボってまで(おおらかな昭和時代)通い詰めた奥多摩の山々の魅力が詰まった一冊でした。紀行文になっているので、いつの時代でどの場所のトピックなのか分かり、頷いたり気づかされて感心したり、感心したほうが多かったように思います。奥多摩を歩き始めて5年の私にとっては、まだまだ楽しめる山塊であることがよーく分かりました。図書館本なので返却するのですが、改めて横に置いときたい一冊。2023/06/07
Yoshie S
2
ゆっくり読了。 ここのところ読んだいくつかの本もそうだったように、実際に歩いて書いているのでとても肉厚。 奥多摩などざっくりとした概念がどんどん広がっていくのを感じる。 廃道になってしまったり風景が変わってしまったところもあるよう。ここの山域でのしごとについても少し触れられていたり、レジャーだけでない部分も感じる本でした。 アプリと紙地図、ガイドで決められたルートでお山に入らせてもらっているが、沢あり雪あり、道なき道を計画して入っていく力強い話が盛りだくさんでした。2023/01/20