内容説明
いま地球上で秘境の地というのは、ごく限られたところしかない。そんな数少ない地図の空白部のひとつが、ミャンマーの山岳地帯。ミャンマーの最高峰がカカボラジという名の山だ、ということは分かっていても、その位置、確かな標高さえも分かっていない。もちろん詳しい地図も写真もない。そんな山に家族で挑んだ日本人がいる。登山家尾崎隆がこの山を見つけ、初登頂するまでの汗と涙の冒険手記。
目次
プロローグ 幻の山(誰も登っていないミャンマー最高峰;分からないこと尽くしのカカボラジ)
1 登山許可(尾崎ファミリー、ミャンマーに乗り込む;家族一緒に地球の不思議を知りたい ほか)
2 偵察行(空腹とジャングルの二週間;つきがない…大雪降りやまぬ ほか)
3 未踏峰へ(驚きの連続の登山講習会;三国友好登山隊、いよいよ出発 ほか)
4 再挑戦(その後の一橋大学隊とフランク;材料費10万円の“手作り”秘密兵器 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勝浩1958
11
ときどき、山岳や海洋探検の本を読みます。一つの大きな目標を成し遂げたときの達成感や充実感は、その危険度や困難さが増せば増すほど大きくなるのでしょう。 でも、死を厭わない行動は目標達成に結びつかないようです。撤退する勇気、次の機会を待つ忍耐力が成功に結び付くようです。激情や衝動に駆られて行動するのは、その時は気持ちの良いものなのですが、あとで取り返しのつかないことが待っているものです。そのような痛い目に遭うことを繰り返しながら、ひとは少しづつ謙虚になってゆくのでしょうか。2015/12/31