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内容説明
胸を打つ山人たちの生き様!ひたすらに山にしがみついて生きた山人たちの暮らしが鮮やかによみがえる、著者渾身のルポルタージュ。
目次
ゼンマイ折り―星兵市・ミヨ夫妻(新潟県旧湯之谷村)黒田信一・晶子夫妻(福島県南会津郡)
月山筍採り―渡辺幸任(山形県鶴岡市)
炭焼き―佐藤光夫(宮城県七ヶ宿町)
馬搬―岩間敬(岩手県遠野市)
山椒魚漁―星寛(福島県桧枝岐村)平野敬敏(福島県桧枝岐村)
大山独楽作り―金子貞雄(神奈川県伊勢原市)
立山かんじき作り―佐伯英之(富山県立山町)
手橇遣い―大矢義広(岐阜県高山市)
漆掻き―岡本嘉明(京都府福知山市)
木馬曳き―橋本岩松(徳島県美波町)
阿波ばん茶作り―清水克洋(徳島県那賀町)
著者等紹介
三宅岳[ミヤケガク]
1964年生まれ。神奈川県藤野町(現・相模原市緑区)に育ち、遊び、暮らす。東京農工大学環境保護学科卒。フリー写真家。おもに山の写真を撮影。北アルプス・丹沢・入笠山などの山岳写真に加え、炭焼きをはじめ山仕事や林業もテーマとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
51
山に生きる。生業として、山と共にある暮らし。大いなる自然の一部である山の恵み。あるいは、そんな山との暮らしを支える仕事。ある意味、自然を相手とする仕事という厳しさがある一方、喜びもまたある。決して、広く表にでることは少ないと思うが、確実に足跡を残してきた。中で取り上げられている、立山かんじきは地元富山。今は、後継ぎもできて、工房が営まれているのが嬉しい。2022/02/03
kuukazoo
10
ゼンマイ折り、炭焼き、馬搬、山椒魚漁、かんじき作り、漆掻き、木馬曳きなどなど時代と共に失われつつある山の仕事を取材した1冊。昔はこういう体1つで山と向き合う仕事をしていた人もたくさんいたのだろう。仕事だけでなく道具ややり方も初めて知ることばかりで興味深く、長年受け継がれた知や仕事に特化して鍛えられた身体能力や感覚力には敬意しかない。しかしこんなふうに外側から文化として眺めることがこれらの仕事を現実的に存続させるわけではないので申し訳ない感も若干。あと恵那市は愛知県じゃなく岐阜県です(p187)。2022/08/21
kimoiue
5
山の仕事って大変よね。うちもマタギとか興味あるけど、まず山道を歩くことが無理。登って下ってかき分けて。重たい収穫物を麓まで降ろす・・・あーしんどい! 工芸品なんか高すぎて手が出ないけど、手間隙考えたらね。でも手は出ない。高いから。あーイノシシやシカをバーン!ってハンティングしてみたい!解体はグロイから無理(笑)2022/08/30
Yuko
5
<ゼンマイ折り、炭焼き、大山独楽作り、漆搔き、阿波ばん茶作り…。ひたすら山にしがみついて生きた山人たちの暮らしと山仕事を、豊富な写真とともに紹介する。『山の本』掲載に書き下ろしを加えて単行本化。> 2021年 簡潔な文体で山の暮しの豊かさや奥深さを描写し、古きかつ新しき場所に誘なってくれた。 いままで知り得なかった人々に出会えた一冊。 2021/11/21
林克也
3
炭焼きの孫です。50年以上前の小学4年か5年の頃、朝は雨が降っていなかったけど途中から降りだした日に、お爺ちゃんが炭焼きの間に小学校まで傘を持ってきてくれたことを思い出した。炭で汚れた顔や手を洗いもせず、孫のために急いできてくれたんだと、今になって深く感謝する次第です。木馬も使っていたなあ。あと、近所には牛で山から材木を運んでいた「与平さ」というお爺さんもいました。牛の糞が道に点々と落ちていたなあ。2022/04/20