内容説明
登山史に刻まれた命の軌跡。
目次
マロリー、アーヴィンの謎―エヴェレスト 1924
ジルバーザッテルの敗走―ナンガ・パルバット 1934
人類初の栄光の陰に―アンナプルナ 1950
高所キャンプからの脱出―K2 1953
メスナー兄弟の下降―ナンガ・パルバット 1970
人食い鬼からの脱出―バインター・ブラック 1977
見捨てられた攻撃隊―ミニヤコンカ 1982
日本人無酸素登頂の葛藤―エヴェレスト 1983
ブラックサマーの生還者―K2 1986
六千メートルの宙吊り救出作戦―トランゴ・タワー 1990
公募登山隊の破綻―エヴェレスト 1996
北壁からの生還―ギャチュン・カン 2002
七四〇〇メートルの国際救助隊―アンナプルナ 2008
著者等紹介
池田常道[イケダツネミチ]
1944年埼玉県生まれ。69年に山と溪谷社に入社。1972年から山と溪谷社の山岳登攀専門誌『岩と雪』の編集に携わり、77年から95年の休刊まで編集長を務める。雑誌編集のかたわら、多くの山岳書を企画・編集。退職後フリーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
96
ヒマラヤで起きた遭難事例13篇。エベレストやk2,ギャチュンカン、アンナプルナ他。それがどんな山なのか知らないし数千メートルの山を登るなど高所恐怖症の私には到底理解できない。が登山をする人々にとってはいつかは登ってみたい山なのだろう。日本のエベレスト登山隊やギャチュンカンの山野井夫妻のことも載っていた。ただ登山のことを知らない私には登山専門用語がわからず想像しながら読んだ。注釈でもいれてくれると有り難いのだが・・・図書館本2021/11/04
かずぼう
25
登攀者の名前がフルネームでずっと羅列されるので、ちょっと読みにくい。ヒマラヤ登山では、あっけなく何人も死んでしまう。それにしても、命をかけてまで山に取り憑かれてしまうものなのか。2024/11/06
ケニオミ
9
死線を彷徨う、この手の物語は好きで、山での遭難の本はよく読んでいます。本書で紹介されている物語のうちいくつかは読んだことがあります。本書を読んで、以前読んだ内容の方が断然面白かった印象を受けました。それほど面白くないということです。まるで事実を列挙しているだけの世界史の教科書を読んでいるようでした。ということで中途挫折です。皆さん、間違っても私のように表紙とタイトルに騙されて、手に取ったりしないでください。お願いです。 2018/06/28
梅子
7
ヒマラヤ・ビッグウォールの登攀史の有名なものを取り上げて概要を紹介するものだが、イマイチ誰をターゲットに書かれているのか分からない。有名な事件ばかりなので内容を既に知ってる人には物足りないし、逆に始めて登攀史に入るような人には専門用語も多用されている文章は難しいのでは?用語集もなく、ある程度山岳小説を読んでいないと想像するのが難しい表現もある。登山家の手記を長々引用する場面もあり、内容としては希薄な感が否めない。2018/06/02
yoneyama
5
マロリー、メルクル、エルゾークから山野井泰史のギャチュンカン生還までの13章が、大急ぎのダイジェストでまとめられている。ほとんどの話をそれぞれ一冊の本として読んだ覚えがあるほど、どれも有名な遭難記だ。確かな高所登山方法論も確立していなかった手探りの1950年代以前のヒマラ黎明期の冒険時代から、次第に高所と登攀の技術が確立され、手順化、競争化された70年代。80年代の有名峰登山者が増え始めた時代の多重遭難、90年代以降の完全に「システム内」の公募登山隊の遭難や救助登山など。2018/05/24