感謝されない医者―ある凍傷Dr.のモノローグ

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784635140072
  • NDC分類 494.35
  • Cコード C0095

内容説明

凍傷で壊死した指を切る医者のやるせなさ。「もっと自分の手足を大事にしろよ」800例の凍傷患者を診た臨床医の切実な言葉だった。本書は、患者の心理に言及しながら、凍傷の最近の治療法まで綴った、「感謝されない医者」の独白である。

目次

1 診療依頼
2 初めての凍傷例
3 凍傷患者騒動記
4 剱沢SOS
5 切断
6 忘れえぬ患者
7 凍傷の病態
8 山に想う

著者等紹介

金田正樹[カネダマサキ]
1946年、秋田県生まれ。1971年、岩手医科大学卒業。整形外科医として、秋田大学整形外科、関東逓信病院、聖マリアンナ医科大学東横病院を経て、現在、向島リハビリクリニックセンター長。登山は高校時代からはじめ、1969年、西部ヒンズークシュ無名峰初登頂、70年、中部ヒンズークシュ無名峰初登頂などの記録を持ち、73年、第2次RCCエベレスト登山隊にドクターとして参加。海外の災害救援も、85年のメキシコ地震、90年のアフガン紛争、91年の湾岸戦争、96年のバングラデシュ竜巻災害、02年イラク戦争などの医療支援に当たる。NPO災害人道医療支援会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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扉のこちら側

76
2016年116冊め。「体を切断してくれてありがとう」とは感謝されない、日本における凍傷治療の第一人者の著作。海外の高山から「凍傷なんですがどうしたらいいですか」と電話がかかってくるとは、さすが21世紀の名医。凍傷治療だけではなくアフガニスタン紛争下の野戦病院での診療の記載もあり興味深かった。2016/02/21

ビブリッサ

12
凍傷になって指の切断を医者から言い渡されたとき、理性では分かっていても、感情が追いつかないのが人情なのだろう。名医と言われる金田先生の下には、藁をもすがる思いの患者が押し寄せる。でも、著書の中でも云われているが、凍傷に対する医療は略確立しており、特効薬や神がかり的な手術方法で再生しうるものでは無いそうだ。血管を広げる薬の投与、それで効かなければ切断となる。それでも患者が後を絶たないのは、先生の記憶に蓄積された多くの患者たちが、立ち直った道筋を辿りたいと願うからかもしれない。君のような患者は大勢いると。2016/04/29

みゃん

4
図書館。面白かった。凍傷の写真が白黒。2019/09/05

ふたば

4
凍傷に罹った場合の、治療の仕方、切断が必要な場合とは、など詳細に記載されている。凍傷に罹患するに至った経緯や、患者のその後についても、記録されていて非常に価値のある内容だと思った。国内の名だたるクライマーも治療した、その道の第一人者であるが、本人はあまり凍傷治療に心を寄せていないようにも見える。切断するのは治療ではないと断ずるが、そのままにしておけば命にかかわる場合も出てくるのだから、やはり治療なのでは…と思うのは素人の考えか。出版から10年以上になるが、現在の治療法がどのようなものかも気になる。2018/10/21

NORI

3
凍傷の酷さが克明に綴らており、冬山の登山は注意深く念入りに行動しないといけないことが重要である!アフガンでの野戦病院での出来事は悲惨でもの哀しくなってしまう。何の関係もない子供を殺すための兵器なんていらないのに...。2017/02/24

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