内容説明
今から5億年前、地球上に「土」が誕生した。ひたすら土を食べて土壌を耕すミミズ、岩を溶かすように進化したキノコ、土で塩分を補給するオランウータン…。土は動植物の躍進を支えるとともに自らも変化し、恐竜の消長や人類の繁栄に大きな影響を及ぼしてきた。土の中に隠された多くの謎をスコップ片手に掘り起こし、土と生き物たちの歩みを迫った壮大なドキュメンタリー。文庫化にあたり書き下ろしのあとがきを収録。
目次
プロローグ 足元に広がる世界(生き物が土を生んだ;旅をはじめる前に)
第1章 土の来た道:逆境を乗り越えた植物たち(地球に土ができるまで;大陸移動とシダの森;樹木とキノコの出会い;ジュラシック・ソイル;砂上の熱帯雨林;氷の世界の森と土;奇跡の島国・日本)
第2章 土が育む動物たち:微生物から恐竜まで(栄養分をかき集める生き物たち;腸内細菌の活躍;土と生き物をつなぐ森のエキス・溶存有機物;栄養分のキャッチボール)
第3章 人と土の1万年(土に適応したヒト;水と栄養分のトレードオフ;古代文明の栄枯盛衰は土次第;酸性土壌と生きるには;田んぼによる酸性土壌の克服;里山とフン尿のリサイクル;人口増加と土壌酸性化を加速させたハーバー・ボッシュ法)
第4章 土のこれから(土を変えたエネルギー革命;木材を輸入する森林大国・日本;窒素まみれの日本;ポテトチップスの代償;味の好みが土を変える;納豆ごはんと水田土壌;土が照らす未来:適応と破滅の境界線)
著者等紹介
藤井一至[フジイカズミチ]
土の研究者。1981年富山県生まれ。2009年京都大学農学研究科博士課程修了。京都大学博士研究員、日本学術振興会特別研究員を経て、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。専門は土壌学、生態学。インドネシア・タイの熱帯雨林からカナダ極北の永久凍土、さらに日本各地へとスコップ片手に飛び回り、土と地球の成り立ちや持続的な利用方法を研究している。第1回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞受賞。『土 地球最後のナゾ』(光文社新書)で第7回河合隼雄学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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