内容説明
笑い、驚き、感動、恐怖、発見…。山小屋という特別な場所で暮らす山小屋主人ならではの信じられないような実話を、著者が丹念に拾い集めた貴重な山語りの宝箱。さまざまな時と人生が交錯する全34篇収録。2016年刊行『新編 山小屋主人の炉端話』(山と溪谷社)を、定本化して文庫化。
目次
第1章 ネバー・ギブ・アップ(ネバー・ギブ・アップ―丹沢・尊仏山荘・花立昭雄さん;「いっちに、いっちに…」―奥秩父・三条の湯・木下昇さん ほか)
第2章 雷親爺(幻の金鉱脈―奥秩父・十文字小屋・山中邦治さん;隠れ家―北八ヶ岳・縞枯山荘・嶋義明さん ほか)
第3章 雪女(雪女―奥多摩・雲取山荘・新井信太郎さん;人間が怖い―奥多摩・町営雲取奥多摩小屋・岡部仙人さん ほか)
第4章 フーの秘密(消えた河童―北八ヶ岳・白駒荘・辰野廣吉さん;フーの秘密―北八ヶ岳・ヒュッテ・アルビレオ・梶栄太郎さん ほか)
第5章 遭難救助(生きたい―陣馬山・清水茶屋・清水辰江さん;「ファイトー」―南アルプス・両俣小屋・星美知子さん ほか)
著者等紹介
工藤〓雄[クドウタカオ]
1953年、青森市生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て、新聞・雑誌を舞台に執筆活動を展開。毎日児童小説優秀作品賞、盲導犬サーブ記念文学賞大賞等を受賞。日本大学芸術学部文芸学科講師(ノンフィクション論等)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あじ
34
“ヤマケイ文庫”を好み始めた私は山小屋での四方山話を収録する本書で、読書という名の元に登山を愉しんだ。山を愛する人々の稜線を様々な視点から眺め、山小屋管理の実地、雪女や河童に関する夢うつつ、深田久弥氏の温かなふるまいに遠くまなざしを送る……。山はいつもそこにある、何事にも動じずにいる。人間の粗相に寛容で忍耐強い、その懐を求め人は山に向かうのだろうか。2021/06/08
禅
20
山小屋主人が見聞きした色んな話。とても面白かった。2024/03/25
スプリント
9
ほっこりする逸話が多く、少しずつ読み進めました。 山小屋は家族で引き継ぐケースが多いのですね。2021/02/27
たびねこ
5
自然界と人間界のぎりぎりの接点で暮らしている山小屋主人の話がつまらないわけがない。関東甲信越にある山小屋主人のエピソード34編。2021/01/08
pitch
5
面白かった。人情話や遭難話やちょっと怖い話や、色んな話があって飽きさせない。全体的に、いい話が多くてそこが良いなあと思ってたら、著者なりの理由があった。しかし、一口に山小屋主人と言っても様々だなあというのがいちばんの感想。2020/12/28
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- 和書
- 義門研究資料集成 上