内容説明
国内有数の水質を誇る清流仁淀川に生きた職漁師“弥太さん”が、漁の秘伝を明快に語り尽くす!
目次
第1漁 ウナギ
第2漁 アユ
第3漁 昔の川遊び
第4漁 ツガニ
第5漁 テナガエビ
第6漁 ナマズ
第7漁 アオノリ
第8漁 ゴリ
第9漁 イダ・地バヤ・改良バヤ
第10漁 川と船
第11漁 仁淀の雑魚たち
第12漁 オコゼ釣り
著者等紹介
宮崎弥太郎[ミヤザキヤタロウ]
1933年生まれ。中学卒業と同時に漁師として仁淀川に“就職”する。流域では数少ない職漁者であり、生き物の習性や自然全般に通じた川の生き字引的な存在として、一目置かれた。愛称は「弥太さん」。2007年没
かくまつとむ[カクマツトム]
1960年、茨城県生まれ。アウトドアライター、ネイチャージャーナリスト。立教大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
34
良書に出会いました。高知の仁淀川の川魚漁師の弥太さんの秘伝をライターが語り聞きで書き起こした本です。生まれた時から仁淀川で育ち、仁淀川の自然の恵みを生業としてきた弥太さんのライフスタイルが凄いです。かっこいいです。また、高知弁がいい味出しています。仁淀川のウナギ、アユ、カニ、ボラ、オコゼを食べてみたくなりました。2021/05/13
マッちゃま
16
高知県仁淀川の漁師が秘伝を語る内容。魚釣りを趣味に持つ者としては海と川の違いはあれど魚の習性を利用した話しはワクワクしてしまいます。何より土佐弁の弥太さんの話し言葉で書かれているので、名人の語りを側で聞いているような感覚で読めます。自慢話に時代の変化で変わっていく漁のスタイル。ただ変わらないのは職業漁師としての立ち位置。「あんたら遊びの人にまで技を隠すほど、この仁淀の弥太さんはケチな人間ではないけ」1万円掛けて千円の魚を持って帰っているような僕からしたら対費用効果については耳が痛かったです(苦笑)2020/06/03
CTC
8
5月のヤマケイ文庫新刊。単行本は01年小学館で、元は『BE-PAL』の連載という。“わし”として土佐弁で語る宮崎弥太郎氏は33年生まれの仁淀川の漁師(07年に逝去)。氏の語りを聞き書きしたかくまつとむ氏があとがきに記しているが…この本(宮崎さん)の凄いところは、「この人は、それ(川での漁へのこだわりやコツ)を長年の勘とか経験という抽象的な言葉ではなく、すべて論理的に説明」していることで、しかも「換金性の高い魚種だけでなく、(中略)雑魚まで行き届いている」。土佐弁がまたなんとも云えない味で…これは良書です。2020/06/17
fuku-fuku-fukui
0
有川ひろ関連で読んでみました。よかったです。川で生計を立てられる人は今どのくらいいるのだろうと考えてしまいました。川で泳いだり、魚を取ったりした頃が懐かしいです。2022/12/02
Koco
0
川漁師・宮崎弥太郎さんのインタビュー集。仁淀川で川漁師として生計を立てていた弥太さんは仁淀の川のことを知り尽くしている。あゆやうなぎ、つがにだけではなく、稚魚の放流によって住み着いたであろう外来種のことなど学術的ではなく、体感的に語る姿は生きる知恵とはこういうことなのだと。漁師でもあり、商売人でもある弥太さんは工夫一つで売値が変わることも、信用を得るためには何をすればいいのかも楽しんでやっていたことが伺える。暦は目安、花を目安に獲り時を測る。そんな生き方がかっこいい。有川浩の空の中の宮じいだ。2020/09/15