内容説明
標高三一九三m、日本第二の高峰・北岳。そこに南アルプス山岳救助隊があり、山岳救助犬を伴うK‐9チームがいる。遭難者の救出、激烈な山岳気象や山の不可思議譚、さらに高齢者登山や南アルプスのリニア問題など、多様な視点から人と山、そして犬との絆を描き出す本格山岳小説集。『山と溪谷』連載時から好評を博し、文庫書き下ろし作品「彼方の山」を含む全13編。
著者等紹介
樋口明雄[ヒグチアキオ]
1960年山口県生まれ。作家。2008年『約束の地』で第27回日本冒険小説協会大賞および第12回大藪春彦賞を受賞。13年『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ書店大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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散文の詞
101
結構リアリティあるんだけど、一応、フィクションだそうです。 それだけ面白いってことだと思います。 短編集なんだけど、うるうるします。 長編でじっくり読みたいきもしますが、単調な感じになるので、短編なのでいいのかもしれません。 ただただ、犬との絆に、心を揺さぶられます。 2020/06/10
goro@80.7
53
文庫本で再読。南アルプス山岳救助隊を舞台にした短編集。結末を分かっているけどまた目頭を押さえてしまう「相棒」 去年訪れた北岳、肩の小屋、白根御池小屋が目に浮かぶから思い入れもひとしおです。実際には山に山岳救助犬はいないけど、いつかこんな救助隊が出来るといいな。カムイ、GOだ!カムイーーー!2020/10/31
ジュール リブレ
31
南アルプス北岳の山岳救助隊と、救助犬を舞台にした短編集。救助隊なので、やはり事故・事件の話が多いのだけれど、垣間見える人間模様が泣かせるな。『父の山』、『サバイバーズ・キット』とか好みでしたよ? k-9はcanine(犬の、犬科の)から来てるらしい。アメリカで実際にK-9と書かれていてびっくり。2019/03/21
ペーパーピーポー
18
短編集と思って舐めていたら『相棒』で号泣。 独りで読んでいて良かったw 前2作の非日常を描いた物語も面白かったが、救助隊の通常業務にも、すっかり魅せられた。 大好きなシリーズ。2019/06/30
緋莢
18
文庫本特別収録含む13編が収録されています。 1編がそれほど長くないので、保護されていたライチョウの親子が突如姿を消す「神の鳥」、山で死んだと思われていた男が葬式に現れる「帰ってきた男」などミステリ要素が入る話は、終盤の種明かしがやや唐突に感じられました。「霧の中に…」のちょっと怪談っぽい入るもの、一緒に山に行った友を亡くした男の苦しみ「サバイバーズ・ギルド」など、山を舞台にした作品ならではという味わいのものもありました(続く2019/03/06