ヤマケイ文庫<br> 果てしなき山稜―襟裳岬から宗谷岬へ

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ヤマケイ文庫
果てしなき山稜―襟裳岬から宗谷岬へ

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  • サイズ A6判/ページ数 373p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784635048248
  • NDC分類 291.1
  • Cコード C0175

内容説明

冬の襟裳岬から厳冬の日高山脈を越え、厳寒の十勝大雪山連峰、北見山地を進み、六ヶ月後に宗谷岬を目指す。現在は写真家として大成した著者が、若き日に実行した無謀とも思える壮大な山スキーによる単独行の記録。一九九五年に白山書房より単行本として初版が刊行された際は、高い評価を受けた山行記の名著を、再編集して文庫化。

目次

旅立ち―黒い海を一途に北へ向かいだした
厳冬の日高山脈(襟裳岬~猿留川林道―そして完全な夢追い人となった;襟裳にて―有名になったりお金持ちになるのって、そんなに幸福なことなのか ほか)
雪解けの石狩山地(狩勝峠~十勝岳―うねるような曲線を持って広がる白亜の峰々;旭川にて―もっと堂々とするべきだ!堂々と自分の望むように生きるべきだ! ほか)
新緑の北見山地(北見峠~宗谷岬―自分探しの旅に終わりはない)
北海道再訪―あとがきにかえて

著者等紹介

志水哲也[シミズテツヤ]
1965年、横浜市生まれ。高校時代から登山を始め、国内外での単独登攀、黒部川全支流探査など登山家として知られる。1997年に富山県宇奈月町(現黒部市)に移り住み、2002年に「志水哲也写真事務所」を開設、写真家としての活動を本格化して作品を発表しつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マリリン

48
有名な海外の山へのチャレンジではないが、ひと味違った山行記。北海道の背骨ルート襟裳岬から宗谷岬まで約半年の記録はその時々の心情や迷い葛藤などが抒情詩の如く描かれており心に沁みる。一歩踏み外せば死への入口となるかのような雪中の孤独の中で、立ち寄った宿や出会った人たちとの交流の中で、目前に広がる風景の中で、心が彷徨う様に生を強く感じる。決められたルートを歩む事が全てではない。自分なりの物差しを持つ事、目標を達成する事が呪縛になる危険性。これからも可能な範囲で単独行や一人旅に行こう。自分のものさしを持って。2021/06/28

ランフランコ

10
冬に北海道の山脈を南から北へ縦断する冒険。ずっと山にいるわけではなく、里に降りてはまた山へ戻ってを繰り返す。それでも充分に冒険だ。里ではその土地土地の岳人との交流がある。こういうのが実に良いのである。同じような志の者たちで飲んでいて楽しくないはずがない。志水さんはスーパーなクライマー感は無く常人に近い。読んでいる最中にK2で平出和也さんと中島健郎さんが滑落したニュースが飛び込んできた。スーパーなクライマーは死んじゃうんだよ。死ぬまで登り続けてしまう。悲しい性だなと思う。見てる世界が違い過ぎるんだろうな。2024/08/02

つちのこ

4
半年間をかけての積雪期北海道縦断の記録。襟裳岬から日高山脈をたった一人で縦断していくチャレンジに、その発想と困難さには驚かずにはいられない。(1996.1メモ)1996/01/20

梅子

3
北海道を貫く背骨を積雪期単独縦走する大スケールの山岳小説。日本の山岳小説には珍しく心情の吐露が多くてメスナーのナンガ・パルバート単独行を思い出させる。もっぱら山だけの描写ではなく、山で出会った人や志を同じくする人、現地に生きる人などの交流も描かれ、著者自身の山行がそれらに左右されたり、とても人間臭くて温かい。一方30mを越える暴風雪をたった1人延々と歩き続ける果てしなさや絶望感、それを乗り越えた野生動物に戻るかのような興奮も生々しい。大きな共感を持って読める気持ちのいい作品。2017/03/17

コカブ

3
時は1993年12月。著者は、厳冬の襟裳岬に降り立った。これから、宗谷岬まで厳冬期の北海道の分水嶺を徒歩で縦断する旅に出る。といっても全ての行程を一気に進むのではなく、食料などを背負って数日進み、そこで下山してベースとなる宿に戻り、食料補給後にまた下山地点から山に入るという事を繰り返して進んでいく。そのため、厳しい雪山の直後に冬休みの旅行者と宿で話していたりして、何だかギャップが大きい。この文章は自分が不安に思ったことや、憤りを感じたことを素直に書いていると思う。その点、最近の個人ブログに近い。2016/11/13

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