目次
1 地図記号がつくり出す小宇宙(地図記号の不思議;地図記号の小宇宙(道路編;境界編;植生編;建物記号等編))
2 地形図の表現はどうなっている?(地形図名の素朴な疑問;地形図にある山名の複雑な事情 ほか)
3 地形図上に広がる不思議な世界(穂高岳で大地殻変動?;地図に隠された山間部の地名の謎 ほか)
4 地形図にまつわるよもやま話(地図の「賞味期限」;三角点の不思議な話 ほか)
著者等紹介
今尾恵介[イマオケイスケ]
1959年、横浜市生まれ。中学1年の社会科の授業で国土地理院の2万5000分の1地形図と出会って以来、今日に至るまで古今東西の地図を「愛読書」としている。音楽出版社勤務を経て91年よりフリーとして執筆活動を開始。(財)日本地図センター客員研究員、日本国際地図学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
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NOBU
17
地図って面白い!知らないことも沢山あって、この本ホンマに楽しい。 三角点(基準点)のプロフィールが記された「点の記」(基準点の所在地や所有者が記載されている)が面白い。 東京都の雲取山山頂所在地は、東京都西多摩郡奥多摩町大字日原字雲取1028番地。 富士山の山頂付近の所属(住所)は県レベルでも決まっておらず、二等三角点の所在地は《静岡県・山梨県》とあるだけで市町村名もない。ただし所有者は《富士山本宮浅間神社》である。 生駒山の一等三角点は生駒山遊園地の中に有るので所有者は《近畿日本鉄道》だったりす2011/05/30
氷柱
5
612作目。8月26日のみ。タイトル通り、地形図の「読み取り方」について述べられた一作。その手法は推理物を解き明かすかの様。地図に書かれた雑然とした内容からその場の情景を読み取るという作業の魅力と多少の困難さを垣間見ることができる。地図に載っている情報は最低限であるが故に、推測をすることでその場を複数パターンに分けて立体的に脳内に描くことができる。しかし現実に広がる光景は一通りと決まっている。想像と現実の答え合わせもまた地形図を読み解く醍醐味である。また年代が移ろうと共に地形図が変化する点にも注目できる。2020/08/26
のぶさん
3
地形図にまつわるいろいろな話。地形図は完全無謬なものではなく、事実をデフォルメしたものにすぎない。そういうよく考えれば当たり前のことがよくわかる。例:①最近の地形図は航空写真から起こすそうだが、写真には木々しか写らないので、地面の形状を想像して等高線を描くしかない。②地形図は毎回一から測量し直すわけではないので、道路だけ追加すると、とんでもないアップダウンやうねった道路になる。そのほか、珍しい地形や地図記号の話題も盛りだくさんで、とても楽しめた。地形図が読めるようになるといいなあ。2013/07/30
かめかめ
1
地形図好きには堪らない本です。楽しく書かれています。 でも五万分の一の地形図が2009年6月1日を最後に、そして一万分の一の地形図は2009年1月1日を最後に新たな版が作られなくなったことはこの本で初めて知りました。ショックです。二万五千分の一の地形図は残りますが、更新の頻度は大きく落ちるようです。寂しい限りです。一方で、国土地理院のホームページからは「地図・空中写真」→「全国の2万5千分1地図上方を見る」でWeb上で地形図を見ることができるのです。これでは紙の地形図の売り上げは落ちてしまうことでしょう。2011/12/25
wang
0
地図の中でも地形に絞った地形図の色々な側面を楽しく教えてくれる。昔の地形図の等高線が見やすかったけど、今はより複雑で見にくくなっているなどは地図作りの苦労がわかり面白い。現実を忠実に写しながらも見やすくデフォルメする基準とそれを見やすく描くセンスの集まり。特に都市部などの時々刻々変化していく様子を紙に固定する苦労なども。2017/03/02
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