内容説明
朝日連峰山中、新潟県・三面川(みおもてがわ)中流域の深い谷間にあった三面集落。いまはダム湖の底に沈んでしまった山里の狩猟文化・山村習俗を、四季折々の山の民の暮らしを追うかたちで詳細に取材・記録した、ルポルタージュの傑作。現在、日本の狩猟文化研究の第一人者として知られる著者が、一九九二年に上梓してロングセラーとなっていた、若き日の意欲作を文庫化。
目次
第1章 狩りの日の出来事
第2章 降りしきる雪の中で―冬
第3章 山の鼓動とともに―春
第4章 むせるような緑に抱かれて―夏
第5章 時雨れる雲の下で―秋
第6章 山人の自然学
著者等紹介
田口洋美[タグチヒロミ]
1957年、茨城県生まれ。民族文化映像研究所、日本観光文化研究所主任研究員を経て、1990年に「マタギサミット」を主宰。1996年に狩猟文化研究所を設立。2005年、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了、博士(環境学)。同年より東北芸術工科大学教授。自然と人間の関わりを歴史社会的視点から捉えた狩猟文化研究で実績をあげる。現在は極東ロシアや東アフリカ地域へも研究範囲を広げつつ、狩猟を視点とした野生動物の保護管理問題にも取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ichigomonogatari
4
山や自然を知り尽くした山人達の真剣勝負である狩りの姿には尊敬と感嘆の念しか抱けない。厳しい掟がだんだんなくなっていき、山の生活は現在どうなっているのだろうか。2018/02/19
志村真幸
3
1992年に農文協から出たもの(底本は2001年版)の文庫化。 著者は日本の狩猟文化について、記録・研究をつづけてきた人物。現在はシベリアや東アフリカの狩猟にもとりくんでいるという。 本書は、著者の出発点となったもの。山形県の山中にあった半農半猟の集落に何年も通い、山を中心とした暮らしを再現している。熊猟、ゼンマイ採り、焼畑、イワナ突き、栗拾いなど。さまざまなところに自然と共生するための知恵がふくまれており、読みごたえがある。 しかし、最後に集落はダムに沈むことになる。失われた暮らしなのである。 2019/03/24
おこげ
3
『人間が山で生きていくには、山を半分殺してちょうどいい』2016/06/03
蕃茄(バンカ)
3
ゴールデンカムイの副読本的に読んだ。クマは一頭一頭に個性があるとか、山言葉とか2016/04/01
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