内容説明
谷川岳、アイガー、エベレスト、K2、そして最後の山となったグランド・ジョラスと、まるでなにかに復讐するかのように死と隣り合わせの岩壁に挑み続けた男、森田勝。登山界の組織になじむことなく、一匹狼として名を馳せた男がたどった生涯を、ノンフィクション作家、佐瀬稔が描く。
目次
「三スラ」の神話
ホキ勝
衝立岩正面壁
アコンカグア
烏帽子沢奥壁大氷柱
アイガー北壁
エベレスト、K2
グランド・ジョラス
著者等紹介
佐瀬稔[サセミノル]
1932年、神奈川県生まれ。1955年、東京外語大学英米学科を中退後、報知新聞社に入社。運動部長、文化部長などを経て1973年退社。フリーとなり、ルポルタージュ、ノンフィクションの執筆活動に入る。『金属バット殺人事件』(草思社/日本推理作家協会賞受賞)、『ヒマラヤを駆け抜けた男』(東京新聞出版局/ミズノ・スポーツライター賞受賞)など著書多数。1998年5月、大腸ガンのため逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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taku
15
羽生丈二のモデルと知ってから、いつか読みたいと思っていた。躊躇していたのは、森田像が膨らんでいて、実際はもう少しまともだと言う知人も多いとの記事を見たから。それはさておき、読み物として面白く、森田に興味を抱かずにはいられない。偽らず駆り立てる姿、登攀が存在証明であるような生き方は痛々しくもある。自分の気持ちに正直過ぎる性格なんだろう。だから、山と自分に妥協して接することが出来なかったのか。ホキ勝と呼ばれた青年は国内一流のクライマーになった。日本の山岳界に名を残す山ヤ、山バカだ。2024/02/05
橘
8
ある男の魂の飢えと、山に登り続ける執念をここに記す。彼は確かに存在し伝説となったが、あの時代、誰もが何かギラギラしたものを持っていた。2016/12/20
タカボー
6
神々の山嶺を読むきっかけになりました。まさに山男。
yuji
4
森田がグランドジョラスで亡くなったのが昭和55年。僕は10歳です。小学5年生の時に担任の先生が夏休みにカラコルム山脈の登山で遭難し帰らぬ人になりました。お葬式の棺桶は空っぽです。夏休み終わり頃に登校日があり、生徒へのメッセージが教室の黒板に書かれていました。それが悲しく寂しい思いをしたのを覚えています。まだ、世界に空白やパイオニアワークが残っていた時代ですが、死ぬかも、死なない、絶対帰ってくる、と思って登るのでしょうね。残されたものはたまに思い出してあげるのが良い供養になると思います。2021/09/14
つみかた
4
「神々の山嶺」の羽生丈二のモデルである森田勝について書かれたドキュメンタリ。本書を読むと、「神々の山嶺」とは、だいぶ印象が異なる。森田勝の不器用さは、読み始める頃は苛立ちや腹立たしさを感じる。しかし読み進めることで、印象はしだいに惹かれていく。本編の読後感はなんとも言えない哀しみが残るが、巻末にある湯浅道夫氏の解説は愛に満ち溢れていると感じた。2016/03/04
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