内容説明
「一月六日フーセツ全身硬ッテ力ナシ…」。凍える指先で綴られた行動記録は、やがて従容として死に就こうとする者の遺書へと変わってゆく。動けなくなった岳友の傍らで死を覚悟し、壮絶な手記を残した風雪の槍ヶ岳北鎌尾根に逝った松涛明。彼が残した珠玉の紀行とエッセイを再編集し、解説を加えて現代によみがえらせた『新編・風雪のビヴァーク』がついに文庫化。
目次
一九三八年(昭和十三年)
一九三九年(昭和十四年)
一九四〇年(昭和十五年)
一九四一年(昭和十六年)
一九四二年(昭和十七年)
一九四三年(昭和十八年)
一九四四~一九四六年(昭和十九~二十一年)
一九四七年(昭和二十二年)
一九四八年(昭和二十三年)
風雪のビヴァーク―一九四八~一九四九年(昭和二十三~二十四年)
著者等紹介
松濤明[マツナミアキラ]
1922年仙台生まれ。旧制府立一中卒。中学時代から新進のクライマーとして活躍し、1938年東京登歩渓流会に入会。同年、谷川岳一ノ倉沢や穂高岳滝谷などを登り、翌年12月には滝谷第一尾根冬季初登攣に成功する。1941年、東京農業大学に進学して山岳部員となる。1943年、学徒出陣で入営。1946年に復員後、八ヶ岳や北岳バットレスに数々の記録を残す。1948年12月、有元克己とともに槍ヶ岳北鎌尾根から焼岳の縦走に出発したが、連日の風雪のために北鎌尾根にて遭難。その状況を克明に記した遺書を残し千丈沢で死去。享年28(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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