山川歴史モノグラフ
軍事奴隷・官僚・民衆―アッバース朝解体期のイラク社会

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  • サイズ A5判/ページ数 195,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784634674318
  • NDC分類 228.1
  • Cコード C3022

内容説明

本書は、イスラーム帝国として知られるアッバース朝の解体過程において生じたイスラーム国家体制の歴史的な変化と、それに伴うイラク社会の変容のあり方を取り扱う。

目次

第1章 軍事グラーム集団の形成(西暦九世紀サーマッラーのアトラーク奴隷軍団;奴隷軍団の系譜―マムルークとグラーム;グラームの諸相―宮廷グラームと軍事グラーム)
第2章 書記官僚と税務行政―私領地における国庫の取り分をめぐって(嶋田襄平の徴税権研究に関する再検証―ダイアにおける国庫の取り分と私領主の取り分;脱穀場における穀物の分配のあり方;ムカーサマにおける取り分の変更と書記の規則;国庫の取り分に対する政治的正当性の対立)
第3章 社会変動と民衆(西暦十世紀バグダードの暴力集団―政治権力との関わりにおいて;ムスアブ・ブン・アッズバイル墓参詣―ブワイフ朝の宗派騒乱と「第二次内乱」;裏切るクーファ市民―ウマイヤ朝期アリー家反乱者のリーダーシップと民衆の政治意識)

著者等紹介

清水和裕[シミズカズヒロ]
1963年生まれ。1998年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。神戸大学文学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Go Extreme

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アッバース朝権力構造: カリフは軍事権と行政権を取り戻さず→地方政権や軍事的実力者が争う→アッバース朝解体の第二段階 プワイフ家の台頭: 大アミール位争いに勝利→ムイッズ・アッダウラがバグダードに入城→カリフは象徴的存在に 軍事支配体制形成: 奴隷軍人や遊牧軍人の地方王朝形成とイクター制施行 奴隷軍団の形成: グラーム軍団が誕生→セルジューク朝やマムルーク朝に発展 政治的混乱と軍団: アトラークの部将は既得権重視、軍団は政治的制御能力失う 社会的変動と民衆: 解体期に民衆の暴力が権力に取り込まれ軍事力とに2025/02/10

Saiid al-Halawi

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アッバース朝末期、その衰亡の要因を資料に拠りながら、タイトルにある3つのファクターに主眼を置いて紐解いていく。内容はかなり専門的で、ある程度イスラーム史についての理解が要求されるが、その分かなり史実に肉薄しており、面白い。こうした本が出版されていることに感謝。2011/01/16

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