内容説明
歴史研究を、異質なものを通して同質性を、同質なものを通して異質性を探りながら、“人間とは何か”を追究するフィルターであると考える著者による、中世末期フランスの衣生活社会経済史。
目次
第1章 社会経済史としての衣生活研究―歴史構成方法試論(〈アナール〉学派の〈新しい歴史学〉の方向と〈物質生活史〉としての衣生活史;衣服の歴史的研究に関する従来の動向)
第2章 中世末期フランスの衣生活にかかわる若干の前提的状況(中世末期における衣服の型と衣生活の基本的性格;中世末期の衣服素材とその生産および流通 ほか)
第3章 中世末期フランスにおける衣生活の具体的様相―衣服消費の側面から(フランス王ジャン2世の衣服事情―1351~52年の会計帳簿を通して;フランス王シャルル5世の衣服事情―遺産目録を通して ほか)
第4章 中世末期フランスの衣生活と社会(アンジュー宮廷における仕着の社会的意味;奢侈取締令発布の歴史的意味 ほか)
第5章 中世末期フランスの衣生活に見る心性(中世の美意識についての一考察;中世末期の衣生活に見るひとびとの心的態度について)