出版社内容情報
これまでヨーロッパ史を中心に展開されていた複合国家論を基軸にして、欧米史と日本史・アジア史を架橋する新しい世界史の提唱。ヨーロッパの複合国家やアジアの複合政体の具体像を明らかにして、従来の国民国家史観の克服をめざす。
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〈目次〉
序章 複合国家とは何か[岩井淳]
第Ⅰ部 中世から16世紀へ
第1章 中世の複合政体―アンジュー帝国と神聖ローマ帝国[藤井真生]
第2章 宗教改革―カトリックからプロテスタント諸派へ[野々瀬浩司]
第3章 大航海時代のスペイン―地中海から大西洋世界へ[内村俊太]
コラム01 中世後期の東中欧における政体と同君連合[藤井真生]
コラム02 カタルーニャとバスク[内村俊太]
第Ⅱ部 形成期の複合国家
第4章 フランスの複合政体―ブルボン王権と地域権力[仲松優子]
第5章 ネーデルラントの複合国家―反乱からオランダ独立へ[望月秀人]
第6章 ブリテン諸島の複合国家―ウェールズ合同からピューリタン革命へ[岩井淳]
コラム03 近世思想と複合国家[竹澤祐丈]
コラム04 ウェストファリアの神話[伊藤宏二]
第Ⅲ部 転換期の複合国家
第7章 三つのブリテン革命―ピューリタン革命・名誉革命・独立革命[岩井淳]
第8章 連邦国家アメリカ―新大陸への入植[石川敬史]
第9章 フランス革命と県制度―複合政体から国民国家へ[山﨑耕一]
コラム05 複合国家イギリスの〈軋み〉とアイルランド社会改革論[桑島秀樹]
コラム06 イングランドとスコットランドの合同―軍事力から主権議会の同意、そして住民投票による同意へ[富田理恵]
第Ⅳ部 ユーラシアと日本の複合政体
第10章 ムガル帝国とイギリス支配[粟屋利江]
第11章 大清帝国―ユーラシア東部の複合国家[杉山清彦]
第12章 近世日本の「複合的構成」と公のゆくえ[杉本史子]
コラム07 東南アジアの複合政体[桃木至朗]
コラム08 明治維新―双頭連邦国家から単頭国民国家へ[三谷博]
第Ⅴ部 近現代の複合政体
第13章 ドイツの連邦国家―国民国家の実態[衣笠太朗]
第14章 ロシア帝国―19世紀から第一次革命へ[池田嘉郎]
第15章 現代の複合的広域秩序―英連邦と欧州統合[小川浩之]
コラム09 多人種・多文化社会ブラジルの国家形成[鈴木茂]
コラム10 オーストラリアのコモンウェルス[岩井 淳]
コラム11 フランス植民地帝国とフランコフォニ――帝国崩壊後の変遷をたどる[平野千果子]
あとがき