内容説明
ギリシア人やローマ人たちは、どのように「生」を見つめ、どのように生きようと考えたのか。古代の人々の「生き方」に迫り、その「生き方の原理」を抽出する。
目次
第1部 社会と行動の規範―恥・恋・妬み(ペルシア宮廷儀礼をめぐるギリシア人使節の恥と外交;前四世紀アテナイにおける恋情の作法と「女の甘言」;古典期アテナイにおける商業活動と職業イメージ;共感に訴えるヘレニズム世界の国際人;ローマン・イーストの邪視と妬み ほか)
第2部 生き方の原理―痛み・憎しみ・恐れ(痛みをめぐる古代ケルト人の民間信仰と医療;釘と石にみるギリシア人の祈り;占星術をめぐるローマ人の感情;ローマ帝国に生きるギリシア人の苦悩とその超克;ローマ皇帝の死に対する感情と生き方 ほか)
著者等紹介
南川高志[ミナミカワタカシ]
1955年生まれ。京都大学名誉教授・佛教大学特任教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。専門分野:ローマ帝国史の研究
井上文則[イノウエフミノリ]
1973年生まれ。早稲田大学教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門分野:ローマ帝国史の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ピオリーヌ
14
南川高志氏が主催する京都大学西洋古代史研究会のメンバーが著した論集。400頁弱の量だが、論文よりは気楽に読める内容。生き方・感情という一般的なテーマを通して古代ギリシア人・ローマ人に親しみがわいてくる。井上文則「古代ローマの幽霊」では、ほぼ同時代の魏晋南北朝で流行した志怪小説「捜神記」を引き、同時代の中国と比べて何故古代ローマの幽霊話が貧弱であるかを指摘している。その理由として新プラトン主義を除き、エピクロス派以下、古代ローマの知識人の奉じた教説は死者の魂の現れとしての2022/01/10
Homo Rudolfensis
5
☆4.0 意外な発見なんかは少なかったですが、単純にギリシャ・ローマの細かい部分を知れました。8,800円とお高めなので図書館で探すのをオススメします。2021/06/03