出版社内容情報
近代ヨーロッパにおける移民・難民など人の移動について、その動機・移動先・移動手段・移 動後の生活など、多面的に比較検討した論集。人の移動が近代世界の形成に与えた意義を明ら かにする。
内容説明
人はなぜ移動するのか?グローバル化の中で加速されてきた人間の移動が途絶えるという現実に直面したいま、「移動する人々」が近代世界の形成に与えた意義を、彼らの視線に寄り添いながら振りかえってみよう。
目次
第1部 植民地と帝国(帝政ロシア国内植民事業にみる「移動する論理」と「移動させる論理」;オランダ領ケープ植民地と移動の論理―十八世紀前半の地域拡大を中心に)
第2部 労働とコミュニティ(北イタリア稲作地帯の出稼ぎ労働;ベルギー移民と移動の論理―十九世紀北フランス炭鉱都市における帰化を手がかりに)
第3部 ジェンダーと家族(ハンガリー王国からアメリカ合衆国への移民女性とジェンダー関係の再編;子どもたちに語る移動の言説―アメリカ合衆国のクロアチア民族協会青少年部)
第4部 強制的な移動(一九〇八年シチリア・カラブリア大地震と移動の論理―自然災害は移民の流れにいかなる影響を与えたのか;ロシア革命とロシア人アナーキスト亡命者たちの思想変容)