出版社内容情報
カイロ郊外にそびえる聖山ムカッタム山麓の墓廟群は聖人の墓廟を参詣する人々で賑わう中世の巡礼地であった。そこに集う人々を通し、様々な宗教を持つ人々が共生する前近代のエジプト社会を考察する。
大稔 哲也[オオトシ テツヤ]
著・文・その他
目次
序章
第1章 参詣の慣行と実践―歴史民族誌の試み
第2章 聖墓と聖者の創出
第3章 死者の街の消長と経済的基盤―墓地居住、行楽、ワクフ
第4章 王朝政府による統御と死者の街の公共性
第5章 死者の街の聖者をめぐる逸話と奇蹟譚
第6章 エジプトにおけるキリスト教徒の参詣・巡礼―イードと聖遺物・奇蹟
付論1 ムスリム社会の参詣小史―エジプトを中心に
付論2 参詣書写本群の成立
付論3 参詣の書と死者の街からみたスーフィズム
付論4 オスマン朝期の死者の街とその参詣
著者等紹介
大稔哲也[オオトシテツヤ]
1960年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了、博士(文学)。カイロ大学文学部留学、山形大学教養部専任講師、九州大学文学部助教授、日本学術振興会カイロ研究連絡センター長(出向)、東京大学大学院人文社会系研究科准教授などを経て、2014年より早稲田大学文学学術院教授。現在、早稲田大学文学部・大学院文学研究科「中東・イスラーム研究コース」運営主任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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