内容説明
戦後日本の新たな現実と向き合い、学知探求の筋道を模索した先学たちの軌跡をたどり、啓蒙から出発した戦後日本の知の変貌を見据える。
目次
序章 戦後知の変貌
第1章 石母田正と敗北の思考―一九五〇年代における転回をめぐって
第2章 丸山眞男の宗教理解―日本仏教史と思想史の方法論
第3章 竹内好のイスラム観―戦前と戦後のあいだで
第4章 吉本隆明の思想と宗教―一九四〇年代から六〇年代まで
第5章 村上重良の近代宗教史研究―政教分離をめぐる生き方
第6章 黒田俊雄の中世宗教史研究―顕密体制論と親鸞
第7章 網野善彦における絶対自由の精神―境界領域を踏破する歴史学
第8章 色川大吉と戦後歴史学―「民衆史」の構想力
第9章 宮田登と民俗学の変貌―挑戦する「もう一つの史学」
第10章 柄谷行人から酒井直樹へ―ポストモダン思想における外部と普遍
終章 変貌する知識人―知と身体
著者等紹介
安丸良夫[ヤスマルヨシオ]
1934年生まれ。一橋大学名誉教授
喜安朗[キヤスアキラ]
1931年生まれ。日本女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
4
「悔恨共同体」(10頁)の意味は興味を引く。この性質は、ああすればよかった、こうすれば・・・の原子力ムラにも、東京一極集中にも言えるのではないかと思えてきた。群れていていいことは右肩上がりの時代だけではないかと。右肩下がりの時代にはむしろ分散して個人的な力量や地域個性が問われるからである。危険な東京からいち早くある意味では安全な地方へ移住する人が徐々に増えてくると希望の共同体が増え、まちづくりに光明がさす気がする。第8章 安丸良夫「色川大吉と戦後歴史学」に注目(291頁~)。民衆史にとって自分史は不可欠。2013/03/03
RKG
0
ずいぶん前に読んだ本。2016/07/07
ねこみ
0
磯前さんの論考はいつもおもしろいなあ2015/12/16
Erina Oka
0
勉強になる所も多々。でもコアな部分もあって、知識が追いつかないところも。2014/04/28