内容説明
同時代人の記録が明かす奴隷交易の真相。無名の奴隷商人が書き残した精細な記録をもとに、18世紀のアフリカ、セネガンビア地域の社会のすがたを、フランスの奴隷交易と連動させて具体的に描き出す。
目次
ソニエ
フランス
セネガンビア(奴隷交易の実態;伝統王国と奴隷制)
大西洋
著者等紹介
小川了[オガワリョウ]
1944年生まれ。1968年上智大学外国語学部フランス語学科卒業、同年11月フランス政府給費留学生試験合格により1969年10月からパリ大学第5人文社会系民族学科留学。1977年5月同博士課程単位取得退学。同年、国立民族学博物館第3研究部助手、1984年同助教授、1993年京都精華大学人文学部教授、1997年より東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。総合研究大学院大学文学博士(1997年)
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感想・レビュー
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Risa Shimowada
5
びっくりするほど面白かった。タイトルと表紙が地味すぎるのでうまく変えて今の時代にもう一度読まれて欲しい。奴隷制度ヒドイという感傷的な話ではなく資料に基づいて誠実に調査されていて合間に著者の想いが挟まっていたりバランスの良い本だった。曖昧な概念でしか知らなかった奴隷貿易の詳細が見えてくる。アフリカ内部の奴隷とかは日本のサラリーマンよりよほど良い環境で奴隷ってなんだっけ?と思ったり(自分の自由にできる身が無いのが奴隷という定義)。当時の西洋人の間でも奴隷の立ち位置、あり方について問題視する声はあったり2021/12/08
水海 瞬
1
奴隷商人の日記という珍しい資料を基にした書籍。 当時の空気感もある程度わかる良作。2020/12/27
くりりんワイン漬け
1
18世紀に盛んであった西インド交易(砂糖等)と奴隷交易について書いた本。前半は奴隷交易がなぜ始まりどのような交易であったのかを簡単に紹介。その後実在した奴隷商人「ソニエ」の手記から、先に説明した奴隷交易の解説について例証し、さらに特定項目についてさらに詳しい解説を補足している。 奴隷交易をおこなう側からの本を初めて読んだ。全体像がわかりとてもわかりやすい本でした。1900円という良心的な値付け。2000円台でもよいのではと思うものです。出版社はこの学術本の価値をわからないのであろうか?2013/07/07
かおりん
0
西アフリカの奴隷について、よくわかる。2017/04/30