内容説明
それは私たちの人生の究極目的である―。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、アウグスティヌス、トマス・アクィナス、カント、ベンサムらの哲学的思考のプロセスを丁寧に解きほぐして追体験する、「大人の倫理学入門」。
目次
第1章 古代ギリシア・ローマの倫理思想―幸福であるとはどのようなことか(倫理学の問いの源泉(一)―ソクラテス
倫理学の問いの源泉(二)―プラトン ほか)
第2章 キリスト教の倫理思想―私たちは幸福でありうるか(アウグスティヌス;トマス・アクィナス)
第3章 カント倫理学―私たちは幸福に値するか(「自由」と「科学」の時代の倫理学―カント倫理学の基本前提;「自律」としての自由と定言命法 ほか)
第4章 功利主義―幸福は計算できるか(快苦のバランスシート―功利主義の基礎;功利主義の展開 ほか)
著者等紹介
池松辰男[イケマツタツオ]
1988年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。島根大学教育学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
9
ソクラテスからアリストテレスまで、知から徳へ向かう時に、先に知が分化してそれぞれ徳が付いていくのかと誤解しておりましたが、本書を読んで、構図を改め、徳が身に付く大切さを改めて感じました。「正論を語る割に一向に定着しないマニュアル」と徳との対比は身に沁みました。キリスト教倫理の、例えば隣人愛はつい斜めに見てしまいがちですが、戦争の続く現在だからこそ改めて評価できるものです。自由意志はないという話は、古くは神、現代では自然科学からの一つの帰結でしょうが、人の認識とは実に不思議なものと改めて感じた次第です。2022/07/07
あくび虫
4
とても面白かった。丁寧な解説もさることながら、引用文の明快さに驚かされます。古典の引用は、そもそも日本語が分からんという事態もままありますので。テンポよく紹介され、展開していく思想の道筋は、よくできた小説を読むのにも似た快さがありました。時間をおいて読み直したい一冊。2024/03/10
めぐりん
1
他者との関係の中で良く生きる上での道筋を示す「倫理学」が西洋において、どのように発展してきたかを簡潔に整理。読みやすいが、中身は非常に深いように感じられる。特に、第二章キリスト教のパートは再読したい。2022/08/14
-
- 和書
- 狂人たちの世界一周
-
- 電子書籍
- 魔導の系譜【分冊版】(1) ブレイドコ…