内容説明
南インドの農村でのフィールドワークを始めて25年。南アジア史の研究者が、日常生活の視点から平易な言葉で語る学術エッセイ。東南アジアへのインド文化の伝播も視野に入れ、歴史的変化の核心をとらえる。カラー写真186点、地図11点を満載したヴィジュアル版。
目次
25年ののちに
口の意味
水の意味
分ける意味
都市の意味
隷属の意味
消えてしまった
出口はどこ
まとまり
借りる
失う
原点と拠点
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mittsko
5
10年刊。ボク個人も大変お世話になった、日本を代表する印度(農村経済)史・地球史家による書き下しエッセイ(*´ω`*) 激変の最中にある印度の姿を、歴史家の視点で、先生がかつて住んだタミル地域のある農村から、徹頭徹尾(都市や中間層や大衆消費社会からではなく)低開発の農村から、そこでの酸いも甘いもある人びとの日々の生活から描きだそうとする。私未読の08年の著書の姉妹編といったところか。日本語の類書はないはず、きわめて意義ぶかい! なお70年代から先生ご自身が撮りためた写真の数々がカラー印刷されており楽しい2019/02/20
rytryt
2
NHKのラジオ番組で著者の講義を聞いたのがきっかけで読みました。インド、マレーシアに関するエッセイ。風土とか著者の温和な感じの人柄に触れられて、とても穏やかな読み心地。2024/03/29
ひとみ
1
映画RRRを見てインドのことを何も知らないことに気がつき、入門として手に取った。エッセイ。2010年と10年以上前の本なので、目覚ましい発展を見せる近年のインドの話は知れなかったが、平成初期あたりの雰囲気はなんとなく掴めた。インドのヒンドゥーはまとまりが強く、マレーシアなどのイスラムは個人意識が強い(でも互助意識はちゃんとある)みたいな話が印象的。カーストの話も教科書程度しか知らなかったが、ただの階層差別な訳ではなく、共同体の仕組みの一環であり階層に紐づいて食い扶持が配分されていた話とかが面白かった。2023/03/08
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