内容説明
激動の幕末期に海外へ旅立った少年がいた!将軍慶喜の名代としてパリ万国博覧会へ派遣された徳川昭武。異国の文化と生活に驚嘆した少年の新鮮な体験を綴る。
目次
序章 親善大使、徳川昭武(大君の弟;万国博覧会 ほか)
1章 フランスへ(旅立ちのとき;出帆、初めての外国へ ほか)
2章 フランスにおける昭武(ツーロン、リヨンをへてパリへ;ナポレオン三世に謁見 ほか)
3章 ヨーロッパ巡歴(滞在費に窮す;スイス訪問 ほか)
4章 故国の政変(大政奉還;帰国を決意 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
5
徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜の異母弟である徳川昭武。慶應3年、僅か数え14歳で兄の将軍の代行として、パリで開催されていた万国博覧会へ赴いた。その昭武一行の出発から帰国までを詳細に綴った一冊。日本の支配者である大君(将軍)の弟であるプリンスとして、フランスで歓待を受けるが、その裏では通訳として雇われた、医師シーボルトの息子がイギリスのスパイとして暗躍していた。残されたシーボルトの書簡から、幕府を支援するフランスを牽制するために、日仏(正確には幕仏)離反を画策し、それは成功していた事が生々しく伝わる。2019/05/23
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
1
欧州に一年半滞在した昭武一行の一日一日の行程を詳述している。著者長年の研究で集めた資料を時系列にまとめたという感じで、この奇妙な旅の紹介を盛り上げるための読者サービスは施されていないため、淡々と読み進むことになる。ところどころにスパイたるシーボルトの報告分が挟まれているのが興味深い。表紙の写真は、意気投合したナポレオン三世の息子から贈られた「リヨン」という名前の犬とのツーショットだが、表紙に使うんだもの、この説明くらいあってもいいと思うんだけどね。2021/09/08
まむし
0
徳川慶喜の弟のフランス留学記録。日記に本音をつらつら、という事などは無いがいろんなところへ視察や見学に赴き高い見識があったと想像できる人物。「ろくでなしの薩摩」2017/03/27