内容説明
アイヌ民族の独自の歴史と生活・文化の諸相を叙述。中高生・一般社会人を対象に平易で読み易い概説書。
目次
「渡嶋」とヤマト王権
擦文文化と古代国家
アイヌ文化への道
アイヌ民族と中世国家
アイヌ民族と和人支配
シャクシャインの戦いと幕藩体制
クナシリ・メナシの戦い
アイヌ民族と幕末の日本
明治維新とアイヌ民族
開拓の進行とアイヌ民族
アイヌ民族と「北海道旧土人保護法」
アイヌ民族と戦時体制
「民主化」の中のアイヌ民族
「アイヌ新法」の制定とアイヌ民族の現在
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
23
『日本書紀』やヤマト王権との関わりから1997年のアイヌ文化振興法まで、それぞれの時代の流れが丁寧に記載され、色々な知識を得られた。教科書のような真面目さで面白味は薄いが、アイヌ民族が受けてきた差別の過程を、やっと少し掴めてきた。旧土人保護法は農業を強制する一方、医療や教育の経済的補助を行っている。都合よくアイヌを利用するためではなく、彼らが社会で生きやすくなるようにと本気の善意で取り組んだ人もいるのではないかと感じた。序で『アイヌ神謡集』が取り上げられ、20歳で夭折した彼女の功績の大切さを改めて知る。2021/10/01
犬養三千代
6
明治以降の国家とアイヌ民族のあり方と「和人」の差別的見方が描かれている部分に目がいく。日本は単一民族では無かった(過去形かな?)これから沖縄琉球の歴史も学びたい。2024/06/15
犬養三千代
5
今現在はどうなってるのだろう?もう、同化してしまってるのか?二風谷の名前忘れてしまったけどアイヌを観光化せずに発信しているおじさん。その人の著作も読みたい。2017/03/26
けいちゃん(渡邉恵士老)
3
日本史や世界史など歴史の教科書でおなじみの山川出版社のアイヌ本です。 さすが山川出版だけあり、歴史を追ってアイヌを紹介していきますが、途中に挟むコラムも面白く、読みごたえがあります。 ボリュームはありますが、文章は平易で分かりやすいので、中高生など学生にも読みやすいと思います。もちろん、アイヌ文化のことを知りたい社会人や大人にもおすすめです。 教科書的ではありますが、読みやすい本です。2021/01/10
Rieko Ito
2
アイヌの歴史へのアプローチ法にはいろいろあると思うが、本書は和人資料を主としている。著述は良くも悪くも教科書的。概ね公平だが、淡々としすぎているきらいもある。アイヌ史のアウトラインを理解するためには良い書。 2018/08/13