感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
40
荘子は音読してしまった。自由な精神っていいもんだな、と。特に、一日の終わりにあたって読んだのはこころが晴れ晴れとした。ありのままの世界を肯定する(56頁)ことはなかなかできないわけだが、自由な精神の持ち主を「真人(しんじん)」という。逍遥遊とか。自分の無能さ、置かれている環境を変えることはできない以上、自由な精神さえあればなんとかなるのでは、と楽観的な気持ちになれる。自分を否定してくる輩が居て、環境を変えたくなるときに荘子は勇気づけてくれると思った。2020/04/12
非日常口
34
倫理というが、実質は哲学入門といえ基準となる一冊だと思う。アカデミックで扱われる大筋を平易な言葉で、また読者が自分の経験に照らし合わせて読むことができる。歴史の哲人は、現代人が目の当たりにする悩みをすでに真摯に考察してくれている。本書一冊を家に置いておき、疲れたときに見直して「この人」と思う人の原著に向かう。それを繰り返すと変な自己啓発が「ああ、〇〇の劣化コピーね」と突っぱねられる。名言コレクターは別の言葉ですぐ気持ちが動く。必要なのは自身に論理・筋を組むことだろう。その一助になる好著。2016/02/25
やす
21
再読。センター試験に対策に役立ちかどうかという視点で読んでみました。「何日間完成」というような見出しの入試の重要事項ばかり並んでいる本と比較しながら、共通に書かれている部分を拾ってみました。同じ言葉でも、人物、時代、国によって、定義が違っています。それを頭の中にきちんと整理して、大学受験をする人たちは大変だなあと改めて感じました。2016/10/25
テツ
16
より良く生きるためには何が必要か。どうしたらいいのか。このちっぽけなぼくがたった独りでどのようにして果てしなく広がる世界と対峙したらいいのか。自分だけの思想を創り上げるためには古今東西の数多の賢人たちの足跡を辿ることも必要だ。自分がぼんやりとただ抱いている想いを明確に言語化してくれた先人がきっと存在している。そして彼(ら)が築いたモノの上に今度はぼくが新しく自分だけのオリジナルな部分を加えていく。必要ならば破壊して創り変えてしまおう。文化も思想も哲学も、人が存在している限り生まれ変わり進化していくんだ。2022/01/25
ボル
16
人間らしく生きるために倫理観はなくてはならないと考え手にしました。とても解りやすくまとめてあります。同時に現代の社会通じたりするので、知的な雑学というか幅広い知識が得られる本書は見たくなったら読み返すのにぴったりです。西洋だけでなく東洋や日本の哲学・倫理・文学なども知ることができる。2019/11/10
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