内容説明
近代日本社会の創造者渋沢栄一。実業界のみならず、福祉・医療、教育・文化、外交など社会事業の面でも民間の立場で尽力し、オルガナイザーとしての位置づけもあたえられる。道徳のともなう正当な利益を追求し、官尊民卑の打破をめざし、私益よりも公益を重視したその人間像は、今の世においても非常に注目されている。渋沢の92年の生涯を今一度振り返りながら、なぜこのようにとりあげられるのかというところを探っていただきたい。
目次
今、注目される渋沢栄一
1 渋沢栄一の原点
2 人生の転換点
3 近代経済社会の基礎づくり
4 社会事業家としての側面
現代に生きる渋沢栄一
著者等紹介
井上潤[イノウエジュン]
1959年生まれ。明治大学文学部史学地理学科日本史専攻卒業。専攻、日本村落史。現在、渋沢史料館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keint
9
渋沢栄一の生涯や業績が平易に記されている。ただし、著者の性質上渋沢栄一を持ち上げているような記述が多めに感じられたため、本格的な伝記や経済史・経営史の書籍も読んだほうが良いと感じた。2021/02/10
たか
8
いま話題の人なのでとりあえずチェックしました2019/04/24
ひよピパパ
5
近代日本社会の立役者、渋沢栄一についての概説書。とてもコンパクトにまとまっている。写真資料が数多く使われており、読んでいて楽しい。道理のともなう富の追求、そして公益の追求。その考え方に敬服。次に『論語と算盤』を読んでみようかな。2016/04/01
まーなん
5
即時性のある新聞、鉄道債への実験的な投資など、当時では目新しいヨーロッパ社会の事柄を進んで取り入れる渋沢の姿勢はまさにパイオニアであった。特に現在の株式会社の原型がスエズ運河の建設にあったことには驚きを隠せない。プライマリーバランス安定化の主張から社会福祉施設の運営に至るまで、彼の道徳が随所に見られ、彼がいなければ今の日本は間違いなく存在しなかった。本の見た目は薄いが、ここには現代社会になおも活きているものが詰まっている。2013/10/03
非実在の構想
4
薄い本なので読みやすく簡単に渋沢の人生を概観できる。ただ著者が学者ではないのでいささか曖昧な筆致が多いような。渋沢については全く知らなかったので役立った。2014/10/16