出版社内容情報
明治~昭和期を通じて「日本の生める最大の新聞記者」と評され、「平民主義」から「帝国主義」「皇室中心主義」へと、主張を大きく転換した蘇峰。その生涯と思想を、政治との関係や「蘇峰ファン」と称される読者との関係からとらえなおす。
内容説明
徳富蘇峰といえば、明治~昭和最大の新聞記者というのが適評といえよう。私たちは蘇峰が残した著作から近代日本の読み取り方を学ぶことができる。しかし、その主張は「平民主義」から「帝国主義」「皇室中心主義」へと大きく転換した。蘇峰の言論活動を一貫するものとは何だったのだろうか。本書ではそれを、幼少期から育まれた「治国平天下」の志、「現実」を重視する記者特有の発想、「蘇峰ファン」と称される熱狂的な読者との関係、という三点から立体的にとらえなおしてみたい。
目次
もっとも危険な放火犯
1 肥後の「田舎紳士」―「治国平天下の志」と「国器」たる期待
2 記者徳富蘇峰の誕生―「明治の青年」として立つ
3 「変節」以後の言論と修史―「御用記者」から再び「立言者」へ
4 「言論報国」の秋―「必勝」から「幻滅」へ
言論活動を貫くもの
著者等紹介
中野目徹[ナカノメトオル]
1960年生まれ。筑波大学人文学類卒業、同大学院博士課程中退。博士(文学)。専攻、日本近代思想史・史料学。現在、筑波大学人文社会系教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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