内容説明
「桜吹雪の彫物をして悪を懲らしめる名奉行」としてよく知られる遠山景元(金四郎)の本当の姿はいかなるものであったのか。この問いに対して、景元がなぜ旗本の就任する最高ポストである江戸町奉行になれたのか、庶民の暮しを直撃し、娯楽を厳しく取り締まった老中水野忠邦の天保改革とよばれる政治改革のなかで、どのような行動をとったのか、また、景元が町奉行とはどのようにあるべきだと考えていたのかを中心に考えてみた。江戸時代後期、十九世紀前半の政治・社会のなかに生きた遠山景元の実像を、史実にそくして明らかにしようとした。
目次
遠山景元の重要さ
1 景晋・景元父子と旗本・役人の世界(遠山家と遠山景晋;景晋の活躍の軌跡 ほか)
2 天保の改革と遠山景元(天保の改革と江戸市中;改革の開始と江戸の町 ほか)
3 改革諸政策をめぐる対立(寄席の撤廃をめぐって;芝居移転をめぐって ほか)
4 名奉行遠山景元とは(食物商人減少をめぐって;門前町屋の移転をめぐって ほか)
著者等紹介
藤田覚[フジタサトル]
1946年生まれ。東北大学大学院博士課程修了。専攻、日本近世史。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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