内容説明
女王卑弥呼の都とされる邪馬台国はどこにあったのか。「魏志倭人伝」の記述や最新の考古学的成果を基礎として、近年有力となった畿内説の立場に立ちながら、東アジア史の観点から卑弥呼の王権と公孫氏や魏王朝との外交関係を検討する。鬼道を駆使する卑弥呼は、普遍性を有する鏡の祭祀により、倭国乱により疲弊した大人層の支持を得て「共立」される。そこでは、鉄資源や先進文物の流通をコントロールすることにより倭国王としての求心性が維持されていた。
目次
邪馬台国と卑弥呼
1 外国史料としての「倭人伝」(枠組みの相対化;「倭人伝」の史料批判;史料としての『三国志』;内容の区分;「倭人伝」の原史料;邪馬台国論争)
2 倭国と倭国王の成立(倭国王の成立;倭国の成立過程;中国の国内支配方式;「国」の用例;「東夷伝」の王号)
3 卑弥呼と公孫氏・魏王朝(卑弥呼と公孫氏;公孫氏政権;公孫氏と魏王朝;公孫氏と呉王朝;卑弥呼と魏王朝;女王国・倭女王・親魏倭王)
4 卑弥呼王権の特質―鬼道と親魏倭王(鬼道;親魏倭王;「倭内乱」と卑弥呼;「まつり」と「まつりごと」;古墳祭祀;晋への遣使;ヤマト王権への展望)
著者等紹介
仁藤敦史[ニトウアツシ]
1960年生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。博士(文学・早稲田大学)。専攻、日本古代史(王権論・都城制成立論)。現在、国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くまくま
5
年代的に限られた資料からここまで推察されるとは。邪馬台国に関しては九州説、畿内説に決着がつかないが、このように研究が進められる中でいつか結論が出ることに期待。2019/04/12
hyena_no_papa
3
全般的な感想は他の方に譲るとして、一点指摘しておきたい。著者は現行刊本『魏志』の「景初二年」を是とし、後世の史料に見える「三年」を『晋書』の責めに帰そうとしているが、これは明らかに失考であろう。『晋書』の10年前に成立した『梁書』には明らかに「三年」と記すし、「魏志曰」とする『翰苑』や『太平御覧』、更に『書紀』神功紀でも「三年」である。『百衲本二十四史校勘記』を開いてみて目につく異同の一つは「二と三」。かかる諸般の状況に鑑み、刊本の「二年」は誤りで「三年」が是と認めるべきことは通説のとおりである。 2021/01/06
パパ
1
魏志倭人伝の少量の記載のみを手掛かりにしており、論理が飛躍しているように感じた。新しい観点も見当たらず、今一つの内容。2014/06/19
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