内容説明
江戸時代は身分、階層、男女の性別を超えて、人びとの長寿の可能性がひろがった時代でした。老齢の家族の日々の暮しを支えることは、家の役割として重視され、とりわけ子として親を扶養し看取ることは、孝行の実践行為として規範化されていました。長寿化と高齢化が進展してゆき、長命を叶えるための心得と、あるべき看取りが説かれた時代にあって、人びとはどのように老いと向きあい、幕府や藩は、いかなる方策を示していたのか、本書では、老いを生きる、老いを寿ぐ、老いを看取る、という三つの観点から、その実相をひもといてみます。
目次
1 老いへのまなざし(映画「たそがれ清兵衛」の描写から;原作と映画の背景 ほか)
2 老いを生きる(老いて働く農民;高齢の当主と後家当主 ほか)
3 老いを寿ぐ(「諸国風俗問状答」にみる年祝い;菅江真澄がみた百賀 ほか)
4 老いを看取る(「養老」の教えと孝規範;武家における介護教育 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
55
老いと看取りという誰もが避けられないことを、江戸時代の歴史の中で書いた本です。私は親の看取りの経験者なので、江戸の看取りに関心もありました。まず老いについていえば、70代80代でも現役で働いていた武士達がいた事に驚かされます。勘定奉行のような重要な地位を任された人もいました。これには勇気づけられます。私もできるだけ長く働き続けたいです。江戸の看取りについては、深い感銘を受けました。介護の仕方を丁寧に書いた本が出されて、老いた人達を手厚く介護したそうです。排泄の世話も怠ってはいけないとされていました。→2025/11/17
こばまり
45
長命を寿ぎ君主から下賜される鳩杖がキュート。私も欲しい。いずれの身分に於いても高齢なりに役目や仕事があり、楽隠居のイメージからは遠い。親の介護と看取りに追われ、自身の家族を形成できずに単身高齢化する息子の姿が江戸時代にもあろうとは。2018/10/14
ようはん
17
現代程ではないものの江戸時代は介護が必要な高齢者も一定数いる時代で親の介護の為に休暇を取る武士や各藩で高齢者を援助する事も少なくなかった。富裕層はまだ使用人を親の介護に回すという余裕はあるが、貧困層は親の介護にかかりきりで自身は結婚する事ができない辺りの格差は現代に通ずる問題でもあると思う。2021/03/14
こずえ
0
江戸時代における老いと看取りを考えることが現代でのそれを考える上で大事であり、歴史関係の人よか医学関係の人によんでほしいかな
ぱぴぷぺぽ
0
**2023/05/27




