内容説明
鎌倉という都市は、しばしば「鎌倉幕府」という言葉とともに語られてきました。鎌倉は、日本史上はじめて登場した本格的な武家の都市でした。もちろん、現在の鎌倉は中世都市鎌倉のそのままの姿ではありません。しかし、町なかの道や坂、寺院や神社などに当時の面影が残されています。また、地中から発掘される遺跡・遺物、『吾妻鏡』のような歴史書、古い文書や絵図、そして地名などに、かつての鎌倉の痕跡をたどることができます。こうしたさまざまな手がかりをもとに、中世の鎌倉の様子を復元していくことにしましょう。
目次
都市史からみた鎌倉
1 将軍御所の記憶
2 鶴岡八幡宮と若宮大路
3 名越―鎌倉の浜・谷・山
4 物の流れ、人の流れ
記憶の継承、歴史的遺産の継承
著者等紹介
高橋慎一朗[タカハシシンイチロウ]
1964年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専攻、日本中世史。東京大学史料編纂所助教授
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